この記事をまとめると
■メルセデス・ベンツGクラスのBEVモデルがアメリカと中国で世界初公開された
■ランドローバー・レンジローバーのBEVモデルの発表も控えている
■今後はハイエンドSUVでも「BEV」がキーワードになってくる
ついにGクラスのBEV市販バージョンを初公開
誰もが一度は憧れるハイエンドSUVの世界。その進化が止まらない。キーワードはもちろん電動化であり、これまでのオフロード性能を含めたパフォーマンスやデザイン、あるいはラグジュアリーなインテリアなどに加えて、このクラスのSUVを選ぶ社会的地位が比較的高いカスタマーは、ゼロエミッションという言葉にはとくに神経質だ。
ここで紹介するのは、そのトレンドを反映するかのように先日誕生したメルセデス・ベンツGクラス、そして開発が最終段階にあり、先日は極地での厳しいテストの様子が公開された、ランドローバー・レンジローバーの2台で、いずれもBEVとして設計されている。
45年前に発表されたGクラスは、その堅牢な作りと耐久性、そしてもちろんオフロードでの機動性が大きな特長だが、メルセデス・ベンツによれば、これまでに生産されたGクラスの80%は、現在でも現役で使用され続けているという。はたしてこのさまざまな厳しい環境のなかで使用されるGクラスとBEVには、親和性というものはあるのか。開発陣が最初に直面したのはその問題だったに違いない。
Gクラスの新型BEVモデルの車名は、「G 580 with EQ テクノロジー(以下G 580)」。生産はこれまでどおり、オーストリアのシャクル山を臨むグラーツ社で行われるが、そのワールドプレミアイベントは、アメリカのカリフォルニア州ビバリーヒルズのフランクリン・キャニオン・パークと、北京モーターショーで前後して行われ、それはメルセデス・ベンツが販売面でとくに期待する市場をそのまま選択したかのようなチョイスだった。
伝統的なデザインランゲージと、ユニークなドライブテクノロジーの融合。G 580というBEVをもっともシンプルに語るのならば、やはりこのような表現がベストだろう。とはいえ外観でG 580に独自のディテールが存在しないわけではない。ボンネットはこれまでのGクラスより若干高めの設定となり、リヤホイールアーチエクステンションのエアカーテンなども、同様にG 580独自のデザインだ。