県ごとにわかれていたディーラーが同一経営に! ホンダが直資系販売店を統合する狙いとは? (2/2ページ)

値引きなどのメリットが期待できる

 営業地域が都県をまたいでいることについてそれぞれ事情はあるのだろうが、「一般的には、在庫車管理など一般管理コストの削減などをメリットにしていることが多いようです。各都道府県というか、販社ごとに在庫車を管理するよりは、都道府県を超えての在庫車管理となれば、管理する在庫車も増えるので、ユーザーへもより短い納期で新車を届けることができたり、仕入れる台数が増えるので値引きなどの購入条件でも有利なものを引き出しやすくなるという“ユーザーメリット”も期待することができるでしょう」とは事情通。

 さらに事情通は、「ホンダモビリティ南関東になってから、当該ホンダカーズ店に行ったという人の話を聞くことができました。するとセールススタッフが新会社、つまり統合して間もないということもあり、”かなり魅力的な値引き額の提示も可能です”といった説明を受けたそうです。まずはより多くの顧客を囲い込むことを優先しているようです」とも語ってくれた。

 気になるのは、ホンダカーズ店にはメーカー直資系のほかに、地場資本系も存在するということ。しかも同地域内に複数の地場資本系ホンダカーズ店が存在する地域も目立つ。一部では「統合した新会社内に地場資本系ディーラーを支援する機能を設ける」と報じている。従来はメーカー直資と地場資本系は少なくとも見た目では対等な立場で販売活動をしているように見えた。地場資本系は値引き条件や、配車台数などではメーカー直資に及ばないぶん、地元に根付いた手厚いアフターサービスを売りにして共存共栄してきたと筆者は考えている。

 ただ、本格的に都県をまたいだ統合会社が設立された現状では、地場資本系ディーラーは「販売協力店」、つまりサブディーラー的立場になっていくのかなあなどとも考えてしまう。いずれにしろ、いまの国内販売市場規模に適応させるとともに、労働集約型産業ともいわれる新車販売ビジネスは、現状でも働き手不足に悩まされているので、労働環境面でもホンダの直資系ディーラーの統合のような動きは、今後さらに避けて通れないものとなっていきそうである。

 今回のようなホンダの動きは、お客へのメリットも十分考慮されたものとなっているので、このような動きを不安に思う必要はないだろう。ホンダぐらいの販売ボリュームを持つブランドでも、本格的に国内販売体制の見直しに動かざるを得なかったほど国内新車販売市場は先細りが目立っているといってもいいだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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