新型フリードに死角が見当たらない! 見た目もシートもラゲッジもアクセサリーまで詳細リポート (2/2ページ)

客室も荷室も使い勝手が大幅にアップ

 室内は従来どおり、コンパクトサイズとは思えない広々とした気もちのいい空間。とくに進化したのは3つのポイントで、まずひとつめがどの席に座っても開放的で、すっきりとした視界。運転席からは、ノイズレスな水平基調の視界が広がり、Aピラーを1本化したこともあり、高いアイポイントからは前方だけでなく近くの斜め下方向も見やすく、安心感と自信がもてそうな視界となっている。

 3列目では、リヤクォーターウインドウが四角く大きな形状となり、外からの光が取り込めて閉塞感のない明るい視界が心地よい。

 そしてふたつめは、コンパクトミニバンならではの機能の進化。キャプテンシートのモデルでは、ユーザーにとって大きなメリットといえるセンターウォークスルーがしやすくなった。これは2列目シートの肩口の形状をシェイプしたり、アームレストも邪魔にならないよう配慮したことによるもの。

 また、ロングスライド機能のある2列目シートを引き寄せる際もつかみやすく、運転席に近づけて子どものケアをしたり、後ろにスライドすれば足もとに買い物かごが置けるほどの余裕のスペースが生まれる。チャイルドシートを装着しても、左右や1列目・3列目に自在に移動でき、車内での着替えやオムツ替えなど、さまざまな用途に使いやすくなっている。

 3つめは、荷室の使い勝手が進化したこと。フリードは3列目が跳ね上げ格納式だが、その操作が格段にスムースになっていて感心。これは、シートの固定位置が先代より90mm低くなり、開口部に近い位置となったことで、もち上げる際や最後にストラップを引っかける動作も、小柄な人でもスムースにできるようになっている。

 さらに、格納時の張り出しも薄くなり、左右を格納した際には従来より160mmも増えた荷室幅が確保できるように。これによって、自転車などの大きな荷物が積みやすくなったほか、荷室に置いたクーラーボックスがそのまま開け閉めできるなど、使いやすさが広がっている。

 もちろん、運転席まわりや後席の収納スペースも「サッと置けてパッと使える」をキーワードに進化。助手席の前には、スマホもリップもなんでも置きやすいインパネトレーや小物入れにもなるカップホルダー、ボックスティッシュが隠しておける大容量のインパネボックスなどがある。傷がつきにくく、もしついても目立ちにくい素材にこだわったところもうれしいポイント。

 これはシートでも同じで、手触りのいい素材ながら、汚れにくく掃除がしやすい撥水撥油機能のあるファブリック「FABTECT」を採用。外から見えるところは明るいカラーでも、座ったりよく触ったりするところがダーク系のカラーとなるツートーンで、いつまでもきれいが保ちやすくなっている。

 そして、CROSSTARの2列シート5人乗り仕様では、超低床を活かしてラゲッジを2段収納として使えるアイディアが実現した。後席をダブルフォールディングするとちょうどフラットになる高さにボードがあり、その下も大容量の収納スペースとなる。また、工夫次第で積みたい荷物や使いたいモノに合わせた収納にアレンジしやすい、ユーティリティサイドパネルや6個のユーティリティナットが装備されているので、フリードをより自分に合わせて、人とはちがった楽しみ方ができるのも大きな魅力だ。

 そんな、「自分らしさ」をもっと追求したい人に向けて、ホンダアクセスからは「普段美」をテーマとしたさまざまな純正アクセサリーが登場。エクステリアでは、AIRをベースとしてもっと上質な存在感を手にいれる「Superior Style」があり、フロントグリルやエアロバンパーなどで洗練された表情に。CROSSTARでは、より頼もしく力強い「Active-Tough Style」が登場し、フロントガーニッシュやボディサイドモールが個性的で、ギア感がアップするエクステリアとなっている。

 インテリアでは、キャプテンシートに装着できる折りたたみテーブルやUSB PDチャージャーといった、室内をより快適にするアイテムが豊富。また、CROSSTARでアウトドアレジャーを思いっきり楽しみたい人に、バッグゲートを開けた状態でタープが3枚までつけられるテールゲートタープや、高い天井を有効活用するルーフラック、小物を整理整頓するのに重宝するトランクサイドボックスなど、思わず欲しくなるアイテムが揃っている。

 こうして内外装を見ているだけでも、「これいいな、欲しいな」とウキウキしてくる新型フリード。小さくてもしっかりミニバンとして使えるという、フリードならではの魅力がさらに高まっており、これはファミリーだけでなくアクティブな趣味を持つシングル世代や、子育てを終えて再びやりたいことを楽しみたい熟年世代にも、ガツンと響く1台になっていると感じる。

 価格や詳細の正式発表は2024年6月の予定だ。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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