歴代ステップワゴンを振り返る
初代(1996年)
1996年に登場した初代ステップワゴンは、前年に開催された東京モーターショーに「F-MX(ファミリームーバ)」の名で出展されたコンセプトカーそのままのフォルムでデビューしました。
多人数乗車モデルといえば後輪駆動のワンボックスワゴンが主流な時代、FFレイアウトを採用したことでキャブオーバー車よりフロアを低くでき、ゆとりある室内高を確保できたことで大きな話題を集めています。
パワーユニットはB20型2リッター直4エンジンを搭載。最高出力は125馬力でしたが、大きなボディを過不足なく走らせる走行性能を備えていました。
2代目(2001年)
初代から初のフルモデルチェンジで2001年に登場した2代目ステップワゴン。爆発的な人気を得た初代の存在が大きかったこともあり、キープコンセプトで登場しました。
2代目は全長を70mm伸ばすなどボディを拡大したことで、室内空間が初代から向上。合わせて、一部ユーザーから不評だったシートアレンジも対座などを加えて多彩になりました。
パワーユニットはK20A型2リッター直4エンジンにチェンジ。初代の特徴だったコラムシフトATは、インパネに設けられながらスムーズに変速できるストレートタイプに変更されました。
3代目(2005年)
先代からデザインが大きく変わった3代目は2005年に登場。初代、2代目が片側スライドドアを採用していたことに対して両側スライドドアを装備するなど、日常的な使い勝手が大きく向上していたことも特徴です。
また、3代目オデッセイ同様、低床・低重心化した新設計のプラットフォームの採用したこともトピックス。全高は先代比マイナス75mmでしたが、底床化により室内空間は2代目と同様のスペースを実現していました。
その他、白色合わせガラスをルーフに用いたトップライトルーフや木目調フローリングフロアを採用するなど、個性的な装備が話題を集めています。
4代目(2009年)
2009年に登場した4代目はミニバンの定石といえる「室内の広さ」を重視。室内空間を向上させるため先代と比べて全高を45mm高め、全長も50mm拡大し5ナンバーサイズいっぱいまで大きくしています。
また、歴代モデル初となる床下格納式を採用し、パワーユニットは2リッター直4エンジンを搭載。CVTを組み合わせたことやエコドライブ支援機能を装備することなどによって、とくに燃費性能が向上しました。
専用チューニングを施した足まわりを装備したスパーダの走りは、ミニバンの基準を超えた走りを実現。走行性能を重視するミニバンユーザーに好評を得ることに成功しています。
5代目(2015年)
居住性や利便性を先代からさらに高め2015年にデビューしたのが5代目。ホイールベースを延長しエンジンルームを短縮。室内空間を拡大し全高も高めたことで、頭上に大きなゆとりを確保しました。
そんな5代目の話題を集めたのが “わくわくゲート”の採用。縦にも横にも開くことができる新設計のテールゲートは、大きな話題を集めました。
また、1.5リッターターボエンジンやハイブリッド車を追加したことも5代目の特徴。商品力が高められています。
まとめ
トヨタ・ノア/ヴォクシー、日産セレナとともにミドルクラスミニバンを牽引するステップワゴン。現行モデルはライバル車と比べてデザインなど独自の個性を備えています。
ステップワゴンらしさを見直したデザインや広大な室内空間など魅力は多彩。現在、ライバル車より販売台数は劣っていますが、高い実力を備えていることは間違いありません。
ただ、ライバルと比較して購入、というよりは「ステップワゴンが欲しい」とのユーザーが多いことがライバルと比べて購入者の幅を狭くしているのかも。今後、ステップワゴンの販売状況がどうなるかに注目です。