福岡で外国語での二種免許試験が可能に! ドライバー不足解決の手段とはいえ免許取得が容易になると交通環境の悪化の危険性もある!! (2/2ページ)

免許版のマネーロンダリングが行われる可能性アリ

 新興国で話を聞くと、運転免許が買えるという話をよく聞く。日本のように教習所へ通い、技能検定試験は教習所で受験可能で、合格後学科試験だけを試験場で受験するといったようパターンは珍しく、コーチ屋のようなところで技術指南してもらい、技能試験も試験場一発勝負というパターンが多いようだ。ただ、試験場は混みあっており面倒くさいということで、正規運転免許証をお金を払って買うというルートが、多くの国で存在すると聞いたことがある。

 運転免許が買えなくとも学科試験中に教官がずっと横に立ち、正解を試験中もずっと脇でささやき続けるというサービスがかつてあったという国の話も聞いたことがある。

 日本国内の多様化が進み、海外から多くの人が移住してくることを否定するつもりはないが、正規で取得するのが大前提の運転免許を、諸外国では裏の非正規ルートで取得しているというケースが、日本では信じられないほど多く存在する可能性が高いなか、外国人の取得要件を緩和するのはかなりリスクが高いように思える。

 仮に非正規ルートで取得した運転免許証が日本の運転免許証に切り替えられれば、それはある意味日本の合法的手段で取得した運転免許となるのでお墨付きを与えたことにもなる。たとえるならマネーロンダリングに近いイメージのことが成立してしまうともいえよう。

 しかも仮に、正規な方法で運転免許を取得していたとしても、日本人としてはそれほど運転スキルの高くない筆者から見ても、海外で現地の人の運転を見ると日本人よりスキルが低いように見えてならない。

 とくに筆者はアメリカで運転する機会が多いので、それを強く感じることが多い。しかも彼らの場合、あまり運転に集中していないようにも見える。

「ノロノロ渋滞のときに隣のクルマの年配の女性を見たら編み物をしていたなど、想像以上に運転中に運転以外のことをやっています」とは現地事情通。

 ハンドル位置は左右で違うことはあるが、信号は赤で停まるなど基本ルールや運転方法は万国共通となっている。しかし、歩行者を優先するかしないかなど、マナーやモラルといった、クルマの運転に対する心構えのようなものは大きく異なると筆者は感じている。

 郷に入っては……というつもりはないが、日本国内でもたとえば、「茨城ルール」といったドメスティックルールが存在(いい悪いは別として)することでもあるし、手続きだけではなく、どのように日本でクルマの運転をしていくかについての心構えを伝えていくことも、今後は課題となっていくだろう。

 たとえば渋滞した高速道路での合流時に、1台ずつ合流させていくというのは半ば日本では当たり前のことであったが、ドライバーの多様化(国際化)により、これが当たり前のことではなくなっていくかもしれないのである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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