この記事をまとめると
◾️回生ブレーキとは電動車が、減速時にモーターの力を使って減速する機能を指す
◾️クルマだけでなく電車も回生を行なっている
◾️電車の場合はバッテリーがないため、回生した電力はほかの電車を走らせるのに使われる
鉄道とクルマの回生ブレーキの違いとは
以前はそれほど使われてなかったが、最近お馴染みになった言葉に回生ブレーキがある。言葉として知らなくても、ハイブリッド車やEVに乗って、エネルギーモニター内の表示でアクセルを戻したときに車輪からバッテリーに電気が流れているグラフィックを見たことがあるのではないだろうか。
モーターは構造的には発電機と同じなので、電気をバッテリーから流しているときは駆動して、アクセルを戻すと走る勢いでモーターを回転させて発電することができる。これが回生ブレーキの仕組みだ。車輪をまわして電気を生み出しつつ、発電機内の抵抗を利用してブレーキとするので回生ブレーキと呼ばれる。
回生ブレーキで発電された電気をバッテリーに溜めて、再び走行に使用するための電力とすることができるため、エコ効果を発揮するので最近お馴染みになっている。理論上は、延々と続く下り坂を走れば回生ブレーキだけで満充電させることも可能で、エコ装備のひとつといってもいい。また、発電量に応じてモーター(発電機)内の抵抗値を変更することができ、最近増えているフットブレーキに頼らないワンペダルドライブはその特性を利用している。
鉄道ファンなら、電車は以前より回生ブレーキを採用していることはご存じだろう。電車はもちろんモーターで走るので、機械的なブレーキ以外にモーターを回転させて回生ブレーキとすることで減速させることが可能だ。
ただ、先述のとおり発電機の特性として、発電量が増えないと負荷も増えずブレーキ力が得られない。クルマの場合はバッテリーに充電するのが負荷になるが、電車はバッテリーを積んでいない。架線や線路、線路脇の線路状のものを経由して電気を得ているので、そこに戻すとしても一見すると抵抗がないように思える。
しかし、電車の場合は送電網へ電気を戻して、近くを走っている車両を走行させることを抵抗としている。発電した電気は他車で使われるのでエコである。クルマと似ているようで、けっこう違うのが電車の回生ブレーキというわけだ。