3代目以降はラグジュアリーをテーマに進化を続けてきた
1999年には3代目へフルモデルチェンジを果たす。エンジン縦置き、副変速機付き4WDシステムといったクロカン4WDとしての基本はそのままに、ボディをビルトイン・フレーム・モノコックとして進化させているのがポイントとなる。ラダーフレームとボディを合体させることでねじり剛性などを大幅に高めることができるというのが、採用の狙いだ。
サスペンションも四輪独立懸架タイプとなり、「スーパーセレクト4WD II」は電気アクチュエーターで切り替えるタイプへ進化。4気筒ディーゼルとV6ガソリンというエンジンラインアップは踏襲していたが、最終的には3.8リッターV6ガソリンを搭載するなどラグジュアリーなSUVとしての進化も遂げるなど、三菱のフラッグシップモデルとなっていったことも印象深い。
2006年には4代目へとフルモデルチェンジ。ビルトイン・フレーム・モノコック構造のボディはショート(3ドア)とロング(5ドア)を設定、スーパーセレクト4WD IIの採用、最上級グレードに3.8リッターV6ガソリンエンジンを搭載するなど、基本的には3代目の正常進化といえる成り立ちだった。つまり、よりラグジュアリー度を高めたのが4代目といえる。
キラキラ感のあるスタイリングからも、そうしたプレミアムなクロカン4WDという狙いは感じられるが、素性としてはクロカン4WDであり、すでに乗用モノコックをベースにしたクロスオーバーSUVが増えている状況においては、乗り味や燃費などの面で選ばれづらいモデルになっていったのも事実。惜しまれつつも、2019年に国内販売は終了してしまった。
ある意味、パジェロとしてのあるべき姿を追求していった結果、時代とズレていってしまったのかもしれない。
しかしながら、電動化や知能化が求められる2020年代であっても、トヨタのランドクルーザーファミリーは確実にファンを掴んでいる。パジェロもハードコアなクロカン4WDとして継続していれば……と思ってしまうのも事実であり、復活のウワサに全力で期待してしまうというファンも少なくないはずだ。