ルーマニアの「ダチア」が欧州でバカ売れ! インド製のWR-Vも乗ったら最高! クルマは「いいものを安く」がいかに大切かを思い知らされた (2/2ページ)

個人からの支持が厚く満足度が高いダチア

■欧州で大人気なルーマニアのダチア

 インドのホンダ車の次はルーマニアの自動車メーカー、ダチアの話だ。ルーマニアは旧東ヨーロッパに位置し、一部は黒海に面する自然豊かな国。オリンピックでは女子体操選手が活躍するが、ルーマニアは中世以前の時代にローマ帝国が支配していたので、ラテン語で「ローマ人の土地」という意味があるそうだ。

 その昔、訪れたときはご飯がイタ飯風で美味しかった記憶がある。だが、最近はルーマニアのダチアが元気がいい。ルノーと関係が深いので、フランスやイギリスでも人気がある。その理由は質実剛健で実用車としてのコスパが高いのだ。

「motor1.com」というイギリスのWEBでは2023年のブランド別販売台数のデータを公表しているが、このデータで興味深いのは、全販売台数におけるプライベート(個人所有)の比率でランキングしていること。そしてそのトップはルーマニアのダチアなのだ。

 ダチアの2023年の販売台数は49万6468台だが、その内訳を見ると、個人所有が80%の39万6241台でトップ。台数主義ではなく、個人から支持された比率をみている。2位はホンダで、台数こそ5万9376台と少ないが、74%の4万3777台が個人所有。トップ10にドイツ車がいないことは意外だった。ちなみにVWは100万台以上を販売するが、そのほとんどが企業リースで個人所有は32%にすぎない。

 イギリスでは2018年に「Dacia Buy Online(オンライン購入システム)」を立ち上げ、オンラインで購入手続きができるので、手間が省ける。個人所有ほどオンラインが向いているのかもしれない。

 手続きの途中で店舗に足を運んでも、ID番号を示すと、ゼロから始める必要はない。クルマも安価であるが、売り方も工夫しており、ダチア旋風は止まらないと関係者は述べている。

 どこの国のユーザーも、無駄に高機能なクルマを求めているわけではない。メーカーの宣伝効果で高機能なクルマが環境と安全に優しいと洗脳されているのかもしれない。2年前のCOTYで100万円を切ったスズキ・アルトに満点を投じたが、そんなアルト現象はもっと評価されるべきかもしれない。


新着情報