この記事をまとめると
■高級スポーツカーが事故を起こした際にネット上では批判的な書き込みが増える
■実際にはクルマのサイズと事故率には相関関係はほとんどない
■大きなクルマのほうがむしろまわりが優しい対応をしてくれることが多い
スーパーカーや高級輸入車が事故ると大々的に報道される
筆者はまったく知らなかったのだが、WEB CARTOP編集部によれば、テレビのニュースなどで高級スポーツカーが事故を起こしている映像が流れると、ネットには「下手クソはもっと小さなクルマに乗っとけよ!」的な書き込みがぶわっと増えるらしい。
で、それに関連して「高級車やスーパーカーはボディサイズが大きい場合が多いから運転が難しく、そのせいで事故を起こしやすいのでしょうか?」という旨の質問が、編集部より筆者のもとへ寄せられた。
ううむ。結論から申し上げると、高級車あるいは高級スポーツカーの「ボディサイズ」と「事故率」の間には、ほとんど何の相関もないと考えられる。
いや、もちろんバカでかい高級車(ベントレーなど)や、車幅が広くてアイポイントも低いスーパーカー(フェラーリなど)は、確かに「明らかに運転しやすい」とはいい難い存在だ。狭い道ではかなり気を使うし、車高が極端に低いスーパーカーの運転席からは、前方や後方などの状況が確認しづらいものだ。
だが、それが原因で起こり得るのは主には「接触事故」であり、テレビのニュースがわざわざ取り上げられるような「重大事故」ではない場合が多い。
そして、デカくて車幅も広い高級車や高級スポーツカーが狭い道で運転しづらいのは確かだが、そういった道で前方から来るクルマとすれ違う際、デカい超高級車は、ハッキリいって進路を譲ってもらえる場合が多い。ちょい広めなところで相手が止まってくれ、その横を割と余裕で通過できてしまうのだ。
まぁ相手方としても超高級車を擦ってしまい、めんどくさそうなドライバーと揉めるのは避けたいのだろう。そのため、これはデカい高級車を運転している際にはかなりひんぱんに経験する事象である(※ちなみにいうまでもないが、筆者がたまに乗るデカい高級車はもちろん私物ではなく、撮影用の借り物である)。そういった意味でデカい高級車は、狭い道でも「むしろ運転しやすい」ということだってできる。
そしてまた、なかには「3日前に免許を取りました。そして今日、パパが買ってくれたアヴェンタドールが納車されました!」的な御曹司もいらっしゃるのだろうが、多くの場合、デカい高級車や高級スポーツカーを買う人間というのは、それなりの運転経験をすでに積んでいる。
「運転経験を積んでいる=事故らない」というわけでは決してないが、それなりのベテランが、ただ単に「ボディサイズがデカいから」という理由だけでテレビニュース級の事故を起こすとは考えにくい。