この記事をまとめると
■メルセデス・ベンツからCLE200が登場
■2リッター直4ターボを搭載する2ドアクーペだ
■低偏平の20インチタイヤとは思えないほどシットリとした乗り味
日本に導入されるモデルはすべてAMGライン
メルセデス・ベンツのラインアップに、新たな2ドアクーペとしてCLE200が加わった。CLEは、従来Eクラスクーペとしてあったモデルがネーミングを変えただけでなく、さまざまな改良、改善を試みて新しいクルマとしてカテゴライズされ生まれ変わっている。車格としてはEクラスの2ドアクーペといった位置付けだが、CLEというネーミングは新世代のモデルであることを表しているといってもいいだろう。
近年、EQシリーズを筆頭にフル電動化されるモデルが多いメルセデス車だが、内燃機関搭載モデルもAMGのラインアップを中心に継続して生み出されている。CLE 200はISG(インテグレーテッドスタータージェネレーター)を搭載するマイルドハイブリッドとして登場させられている。
2リッター4気筒直噴ターボエンジンをフロントミッドシップに縦置きし、ジェネレーターモーターとトランスミッションの9速ATを介して後輪二輪を駆動するという鉄板のレイアウトを取っている。2ドアモデル自体が絶滅危惧種といわれるなかで、あえて登場させるのは、これまで4ドアセダンやSUVモデルでカーライフを送ってきた50代60代のユーザーの多くが定年を迎え、子育てから解放されるなどで夫婦ふたりあるいは自分ひとりの移動空間として2ドアを所有するという選択がこれから増えていくと見込まれていることも挙げられるだろう。
他社に目を向けてみれば、やはり2ドアのスポーティモデルクーペを展開しているメーカーも増えてきていて、アウディやBMWなどのドイツ車だけではなく、日本のメジャーメーカーにも2ドアクーペモデルは復活傾向にある。
ISGは17kWの出力で48ボルト電圧システムを持つジェネレーターモーターとリチウムイオンバッテリーを搭載しているが、いわゆるEV走行モードというのは設定されていない。ジェネレーターモーターは発電機としての役割が主だが、発進や加速時などにガソリンエンジンをアシストしてくれるものである。
また、アイドルストップは積極的に行い、エンジン再始動時においてクランクシャフトと同軸上に配されたジェネレーターモーターがスターターの役目も果たし、静かな再始動を促せるものとなっているのである。
ボディのディメンションは、全長が4850mm、全幅1860mm、全高1420mmで、 ホイールベースは2865mmとなっている。これは従来のEクラスクーペと比較すると、全長で5mm、全高は−10mm、全幅は同寸、ホイールベースは−10mmとなっていて、非常に似通ったディメンションだとわかる。
フロントミッドシップに搭載されるエンジンにより、フロントオーバーハングは短く抑えられ、 リヤはトランクルームの容量確保などによりオーバーハングがフロントよりも大きいことなどから、非常にスポーティなフォルムにまとめあげられている。
車体全体は非常にグラマラスでワイド&ローの安定感がある。流れるような流麗なデザインが与えられており、またボンネットに描かれたプレスの2本のパワーバルジが特徴的だといえるだろう。
ラジエターグリルには小さなスリーポインテッドスターの加飾が散りばめられ、また左右のインテークは塞がれているものの、内に秘めたパワーを彷彿とさせるようなスポーティデザインとなっている。車体後ろのリヤバンパー下左右にマフラーの排気口に見える造形が施されているが、じつはこれもダミーであり、実際のマフラーは車体左側の下に1本下向きに配置されているのみである。
クルマに乗り込むと、近年のメルセデス流デザインの豪華な室内がドライバーを迎え入れてくれる。メーターパネルは12.3インチのカラー液晶式で、ダッシュボードセンターには縦置き11.9インチの大きなモニターが備わっている。また、エアコン吹き出し口やブラックの本物のウッドを採用したダッシュボードパネルなども非常にゴージャスで高級感に溢れている。
日本に導入されるモデルはすべてAMGラインのパッケージングとされていて、ドライバーズパッケージオプションを装備している。本国ではウォールナット材の木目を採用した、さらにゴージャスな仕様もあるようだ。
シートはバケットタイプで背もたれとヘッドレストが一体式となっており、またその形状や座り心地なども非常に吟味され、ドライバーをしっかりとフォールドしつつも優しく包み込んでくれるような感触。このシートには、シートヒーターはもちろんシートベンチレーターも装備されていて、1年を通して快適な座り心地が保証されているようなものだ。