世界最速の芝刈り機の最高速度は240km/h 275.74km/hでバックするネヴェーラも見てみたいところだが、クルマはやはり前に進んでナンボなので、本当に気になるのは「前進時の最高速度世界一」だ。そしてギネスブックによれば、前進時最高速度世界一の量産車はSSC(シェルビー・スーパー・カーズ)ノースアメリカの「トゥアタラ」なるハイパーカー。ネバダ州の道路で532.7km/hを計測し、ギネス認定対象となる「往復平均」では508.73km/hをマークしたとのこと。
SSC(シェルビー・スーパー・カーズ)ノースアメリカの「トゥアタラ」の走行写真 画像はこちら
SSCノースアメリカは1999年に創業されたアメリカの自動車メーカー。オーナーはジェロルド・シェルビーという人物で、前社名は「シェルビー・スーパーカーズ」だった。だが、ジェロルド・シェルビー氏は自動車デザイナーのキャロル・シェルビーとはまったくの無関係ということで、シェルビーアメリカン社との混同を避けるため、2012年1月から「SSCノースアメリカ」に改名された。
で、そんなSSCノースアメリカが作る「トゥアタラ」は、ミッドに独自開発の6.9リッターV8ツインターボエンジンを搭載するハイパーカー。最高出力は1750馬力で、最大トルクは1736Nmとのことだが、もはや数字的に凄すぎて何がなんだかわからない。そしてトゥアタラがネバダ州でマークした532.7km/hという最高速度は、旧日本海軍が使用した零式艦上戦闘機二一型の最高速度とおおむね同じである。
SSC(シェルビー・スーパー・カーズ)ノースアメリカの「トゥアタラ」のエンジンルーム 画像はこちら
零式艦上戦闘機の最高速度はもう少し速いほうがよかったと思うが、クルマで500km/h以上の速度を出すのもかなりアレであるため、お次は「長さ」という基準で見てみよう。
ギネスブックが2022年3月に認定したところによれば、「世界一長いクルマ」は、全長なんと30.54mのスーパーリムジンである「American Dream」。このリムジンのベースとなったのは1976年式キャデラック・エルドラドで、映画やテレビ用のクルマを専門とする自動車コレクター、ジェイ・オーバーグ氏が1986年に製作したもの。その時点でのAmerican Dreamの全長は18.28mだったが、その後30.54mまでストレッチされたらしい。
全長30.54mのスーパーリムジン「American Dream」 画像はこちら
American Dreamの装備は「ウォーターベッド」「飛び込み台を備えたプール」「ジェットバス」「ミニゴルフコース」「ヘリポート」などという夢のような内容(?)で、75人以上を収容可能。とはいえ長すぎる全長ゆえ公道には駐車できず、現在はフロリダ州オーランドにある「デザーランドパーク」内の自動車博物館で展示されているらしい。
最後に、これを「クルマ」と呼ぶべきかどうかはさておき「世界最速の乗用芝刈り機」としてギネスブックに認定されたのが、ホンダの「Mean Mower V2」だ。
ホンダ「Mean Mower V2」 画像はこちら
Mean Mower V2はホンダの芝刈り機「HF2620」をベースに、ホンダの英国ツーリングカー選手権におけるパートナーだった「Team Dynamics」がモディファイを加えたもの。
エンジンは、ホンダのレーシングバイク「CBR1000RR Fireblade SP」に搭載された999cc直4を採用。このエンジンは最高出力189馬力を発生させるが、Mean Mower V2の重量はわずか約140kgということで、そのパワーウェイトレシオはブガッティ・シロンをもしのぐことになる。
ホンダ「Mean Mower V2」のリヤ 画像はこちら
で、そんな芝刈り機がドイツのサーキット「Dekra Lausitzring(デクラ ラウジッツリンク)」で世界記録に挑戦したところ、時速0-100マイル加速の平均は6.29秒で、最高時速は150.99マイル(約242.99km/h)をマークすることに成功。ちなみにマクラーレン650Sの時速0-100マイル加速が5.7秒なので、Mean Mower V2は「芝刈り機のくせにスーパーカー並みの加速力」ということになる。
なおMean Mower V2には芝刈りブレードと芝回収ボックスも搭載されているため、いちおう芝刈り機として使うこともできるらしい。