この記事をまとめると
■パトカーは緊急走行時に限って道路交通法を無視することができる
■パトカーも緊急走行時以外は一般車と同じ交通ルールが適用される
■警察官がパトカーや白バイを取り締まるという事案は実際に存在している
警察官が警察官を取り締まることってあるの?
交通違反を取り締まる警察が交通違反をしていた場合、同僚の警察に取り締まられることがあるのでしょうか。今回は、警察の交通違反を同僚の警察が取り締まるときと取り締まりの対象にならないときの要件について解説します。
警察が交通ルールの一部を無視できる特例は条件付き
交通違反の取り締まりをしているパトカーや白バイなどの警察車両は、基本的に法令遵守しなければならない存在です。そのため、パトロールをしているときは、一般ドライバーと同じように交通ルールに則った運転をしています。
しかし、事件や事故などが発生し、現場に急行しなければならないときは、赤色灯を点灯させてサイレンを鳴らし、緊急走行の状態にして現場に向かいます。この緊急走行のときは、道路交通法の「緊急自動車等の特例」が認められるため、交通ルールの一部を無視することができます。
緊急走行時以外には一般のドライバーと同じ扱い
警察が交通ルールの一部を無視できるのは緊急走行時のみです。緊急走行をしていないときは、道路交通法の特例が認められません。
そのため、緊急走行時以外の警察車両の交通違反については、一般のドライバーと同じ扱いとなります。つまり、パトロール中の警察車両が交通違反をした場合は、取り締まりの対象となり交通違反として検挙されます。もし、緊急走行していないパトカーや白バイなどの警察車両を同僚の警察が発見した場合は取り締まるといえるでしょう。
過去に警察が検挙された事例はある
実際に、過去には警察が交通違反で検挙されたという事例があります。
たとえば、「パトカーの性能を確かめたい」という理由で制限速度80km/hの道路を約85km/hオーバーの165km/hで走行した疑いで検挙された警察官がいたり、制限速度が50km/hの道路を約62km/hオーバーの112km/hで走行したとして警察官が検挙されたりするというニュースが過去にありました。
このように、緊急走行時以外のときに交通違反をすると警察官も一般ドライバーと同じように取り締まりの対象となるのです。
結論として警察が警察の交通違反を取り締まることはある!
警察が交通違反をした場合、同僚である警察に取り締まられることはあります。ただし、赤色灯を点灯させてサイレンを鳴らしている緊急走行時は、道路交通法に定められている特例が適用されるため、例外的に交通ルールの一部を無視しても問題ないとされています。
ドライブレコーダーが普及したいまの時代、緊急走行時以外にパトカーや白バイなどの警察車両が交通違反したという客観的な証拠を見せつけられたら言い訳できないのは一般ドライバーも警察も同じだといえるでしょう。