「白・緑・黒・黄色」があるけど何が違う? トラックのナンバープレートの「色」の意味を深掘り解説! (2/2ページ)

税金は緑ナンバーのほうが低いが自動車保険は高くなる傾向

 白ナンバーと緑ナンバーでは、これ以外にも違いがある。そのひとつが税金だ。対象は自動車重量税と自動車税で、車両総重量や積載量によって金額に違いはあるものの、いずれも緑ナンバーのほうが低い。逆に自動車保険は営業活動によって使用頻度が上がるため、緑ナンバーのほうが高くなる傾向にある。車検・点検整備も保険と同様の理由で、概ね緑ナンバーのほうが受検頻度は高い。また、緑ナンバーを運転する場合には、アルコールチェックが義務付けられている。

 このように緑ナンバーのトラックは、安全性の観点などからさまざまな制約がある。しかし、事業として運送を行うのであれば緑ナンバーは必須であり、これを取得していることが運送事業者としての信用につながる。ひいては、事業資金融資などのときにも有利に働くことが多いのだ。また、緑ナンバー取得の条件として、従業員の社会保険や労災・雇用保険に加入(公的機関から定期的にチェックがある)が求められる。これは従業員からすれば福利厚生の充実につながるため、定着率向上に資すると考えられる。

 緑ナンバーの取得するためには、

・事業所に5台以上の車両5名以上のドライバーを保持している
・事業所を設置している立地が適切である
・事業資金が十分にある
・運行管理者がいる
・ドライバー全員が社会保険に加入している

 などの条件をクリアした上で事業者として申請を行い、審査を経て許可を受ける。そうして初めてナンバーの取得が可能になるわけだ。運転免許は当該車両に適応したものが必要だが、物品の運搬だけなら1種免許でよい。ただし、人を運ぶ場合は2種免許が必要だ。

 施設(幼稚園・保育園・学校・習い事のスクールなどを含む)の送迎バスなどのなかには、白ナンバーのものがある。これは施設の所有で施設職員が運転し、(送迎自体は)無償で送迎を行っているからである。幼稚園・保育園などではバス代を徴収していることもあるが、これは道路運送法上の特例判断と考えられる。もっとも、これら運送事業者に委託している場合は、緑ナンバーの車両を使用しなければならず、ドライバーも2種免許を取得している必要がある。

 また、公共交通機関がない地域や、引っ越し事業者がやむを得ない理由で、臨時にレンタカーを使用する場合などについても、事前に届出などをすることで、白ナンバー車両を使用することができる。

 日ごろ何気なく見ている緑ナンバーだが、なかなか奥が深い意図がある、といえよう。


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