簡単に移動できないような工夫を
こういった組織的な窃盗の場合、短時間で強引に犯行を行うため、少々の対策では防ぐことが難しいことも多い。ポイントになるのは、おもにふたつ。
1)車両のもち出しに時間がかかる(トラックを動かしにくい状況にするなど)
2)駐車場所がしっかりと監視されている
といった状況を作り出すことだ。トラックを動かしにくくするには、駐車場に鍵付きの門・シャッター・鎖などを設置するとよい。複数台のトラックがあるときは車両間隔を詰めて駐車をするなど、簡単に移動できないような工夫をすることも大切だ。ハンドルロックやタイヤロックといった、物理的な盗難防止装置を組み合わせて使用するとさらに効果が高まる。
監視をするには駐車場と事務所が近いことが望ましいが、そうでない場合も多々あるだろう。そこで、駐車場に録画型防犯カメラを取り付けたり、ドラレコを駐車監視型にしたりすると防犯効果が期待できる。また、車両にはGPS追跡装置を取り付けておくとよい。
これらに共通するのは、設置&取付するだけではなく、必ずステッカーや看板などで「(防犯の仕組みが)ついています」とアピールをすることである。なぜなら、防犯は盗難に遭わないないように対策をすることであって、決して検挙を目的としているわけではないからだ。
ほかにも、駐車場に砂利を敷く(歩けば音が鳴る)とか、人感センサー付きライトを設置するとか、比較的簡単に実行できる対策も多数ある。年を追うごとに巧妙になるトラック盗難を防ぐには、複数の有効な防犯対策を組み合わせて行い、被害を最小限に抑える努力をしなければならないといえよう。