いま4軸低床がアツい!
もっとも一般的なのが、3軸と呼ばれるトラック。前1軸と後2軸で構成される、もっともポピュラーなシャシーだ。
タイヤの径によって高床と中低床にわけられるが、このタイプはオーバーハングが長いため、ハンドルを目一杯切ると車体の後部が左右に大きく振れてしまう。そのため、右左折の際にハンドル操作を誤ってしまうと、車体の後部が隣の車線や路側帯へとはみ出してしまい、直進車両やガードレールなどに接触してしまう危険性をはらんでいる。その代わり旋回能力や乗り心地に優れているため、多くの現場に対応した内容となっている。
同じ3軸でも、前2軸の後1軸というものが存在する。タンクローリーでも見かけるこちらはふたつの前輪がハンドルと連動するのだが、ステアリング機構上の問題からハンドルが切れず、旋回半径は大きくなってしまう。オーバーハングが短いため車体の後部を振る危険性は少なくなるが、後輪が1軸しか存在しないため最大積載量が少なくなり、重量物の長距離輸送には適さない。それゆえに、軽い荷物を運ぶ大手運送会社の路線便などで活用されている。
液体物を運ぶ場合は車両前後にも荷重がかかるため、どうしても前輪への負担が大きくなる。1軸ではバランスが悪くなってしまうために、タンクローリーでは前2軸のシャシーが好まれているのだ。前2軸のトラックは直進安定性がよくなることが特徴で、後1軸ではタイヤの数そのものが少なくなるぶん、経費を抑えることができるというメリットが存在している。
そして、現在もっとも人気が高いと感じるのが、小径タイヤを履かせた前2軸+後2軸の4軸低床である。前述したとおり走行時の安定性には優れているが、こちらのシャシーは小まわりが利かず、オーバーハングも長くなる。さらにはロードクリアランスが少なくなってしまうため、地面との干渉にも気を使わなければならない。そして、小径タイヤを履かせているため衝撃吸収力は低くなり、段差に弱く乗り心地も悪くなってしまう。
ドライバーにとってはお世辞にも扱いやすいシャシーであるとはいえないが、それでも重宝されているのは「大量の荷物を輸送するのに適した形状である」ため。一度にたくさんの荷物を運ぶことができる4軸低床の大型トラックは、長距離輸送の現場には最適な存在となっているのだ。
ひとくちに大型トラックといってみても、たくさんの種類が存在する。それぞれに長所と短所が存在するため、間違いのないシャシーを選ぶことが重要だ。