いま大型トラックは小径タイヤが人気! どんどん大径化する乗用車とは真逆のトレンドなワケ? (2/2ページ)

低床4軸の大型トラックが注目されている!?

 わたしたちが快適に暮らせているのは、大型トラックのおかげだといっても過言ではない。とても重要な業種であるのだが、その扱いはお世辞にもいいとはいえない。ハードな仕事でありながら稼げないからこそ若い人のなり手が少なく、高齢化がどんどん進んでいる。そこに件の2024問題が押し寄せるのだから、今後さらなる窮屈さに苛まれることだろう。さて、前置きが長くなったが、そんな現状だからこそ、低床4軸の大型トラックが脚光を浴びているのだ。

 大型トラックは、もともと高床3軸と呼ばれるスタイルが一般的だった。やがて、フロントタイヤ以外を小径のタイヤにした低床4軸が開発される。現代の低床4軸では総輪が同じ小径サイズのタイヤとなっているが、低床4軸の大型トラックは物流の世界で広く採用されるようになったのである。

 その理由はなんなのか。簡単にいえば、積載できる荷物の数(量)を増やすためだ。大型トラックにおいては、地上高が3.8m未満と規定されている。つまり、大きなタイヤを履かせた高床よりも小径タイヤの低床のほうが、荷室内の高さを稼ぐことができるのだ。そして車体が低いぶん、荷物の積み下ろしがしやすいというメリットも存在する。小まわりはきかなくなるが重心が低く4軸構造となっていることから、走行時の安定性にも優れている。

 低床トラックに載せられた箱型の荷台は大きいため、迫力感も凄まじい。しかし、リヤバンパーの位置が低くなってしまうため、デコトラ愛好家には不人気なスタイルでもある。飾るにはバランスのいい高床3軸の大型トラックが人気を集めているのは変わらないのだが、運送会社はこぞって低床を選択する傾向にある。

 合理化といえば聞こえはいいかもしれないが、それも同時に、人手不足にあえぐ現代のトラック業界を如実に表しているといえるのかもしれない。


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