少年の日にみたネオン看板のようなデコトラに魅せられ「デコチャリ」「デコトラ」「専門誌」! 「トラック魂」編集長のデコトラ一筋人生 (2/2ページ)

夜の闇のなかに煌びやかなネオンを見た

 そんな自分も、今年で50歳となる。1974年生まれゆえ、映画『トラック野郎』はTVで観ていたが、デコトラに魅了されたのはこの映画が原因ではない。幼き頃に出会った、とても鮮烈なる出来事が自分の心を刺激したのだ。

 小学生のころ、私は家族旅行の際に父親が運転するダイハツ・アトレーの助手席に座っていた。おそらく夜の国道だったのだと思うのだが、街灯も建物も存在しない漆黒の闇のなかを、アトレーは突き進んでいた。

「なんか寂しいなぁ」

 子ども心にそのようなことを考えていた。すると、ようやく煌びやかなネオン看板が前方に見えてきたのである。思わずワクワクしていたのだが、そのネオンがこちらに向かって進んでくるではないか。

「動いている? 看板じゃない? なんだこれは?」

 あっという間にすれ違ったその正体は、子どもだった自分にはわからずじまいだった。だが、わたしの心はとても明るくなれたのであった。

※画像はイメージ

 中学生になったわたしは、仲のいい友人からとある雑誌を見せられた。そこに掲載されていたのは、ギンギラギンに飾られたデコトラ。それを見た際「あのときに見たのはデコトラと呼ばれるトラックだったのだ!」と気づかされたのだ。

 その日以来、デコトラにすっかり魅了されるようになった。デコトラの専門誌を買うようになり、デコチャリ少年として生きるようになった。普通免許を取得すれば、当然のごとくデコトラの世界へと足を踏み入れた。

 やがて大型トラックを転がすまでに至った自分がデコトラ専門誌の編集長になれたのだから、人生は面白い。趣味を仕事にしてしまうというのはいいことばかりではないが、好きなことをして稼いでいる人たちは、きっとわずかだろう。みなさんにも可能な限り、自身が好む分野の仕事を生業にすることをオススメしたい。そうすることで、きっと違った魅力を発見することができるだろう。


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