この記事をまとめると
■大阪オートメッセ2024を振り返る企画
■「AMEND」のブースに注目した
■展示車のスズキ・キャリィに注目
AMENDが制作したスズキ・キャリィに注目!
2024年2月10日〜2月12日の期間、大阪港湾部のインテックス大阪で開催された「大阪オートメッセ2024」。
期間中には速報で会場のリポートをお送りしましたが、ここでは開催の様子、紹介しきれなかったブースや展示車両を振り返り、あらためて紹介していきたいと思います。
今回はショップや個人の出展者が集まった4号館で見つけた、「AMEND(大阪)」が製作した「スズキ・キャリィ」を紹介していきます。
ほとんどを作り直す大胆なカスタムのなかに職人技が光る
会場内を見回っているとき、ふと違和感を感じて注視してみると、そこには見慣れないフレームワークの軽トラらしき車両が展示されていました。違和感を感じたのは、ほかの車両はほとんどが顔を通路に向けているのに対して、この車両は真後ろを向けて展示されていたせいです。
近寄って見てみてその理由がわかりました。この車両、軽トラの荷台の下にある部分がことごとく普通じゃなかったのです。
ベース車両は「スズキ・キャリィ・トラック(DA63T型)」です。製作したのは大阪でワンオフパーツの製作やカスタム車両の設計&製作をおこなっている「AMEND」で、自社の技術をアピールするためのデモ車両とのこと。この大阪オートメッセに展示していた時点ではまだ「ようやく自走できるようになったばかり」という製作途中の状態とのことでした。
まず、キャビンのすぐ後ろに直立状態で搭載されているエンジンからして異質な雰囲気を放っています。このエンジンは、スズキが販売する世界最速のバイクの一角である「GSX1300R ハヤブサ」のものを移植したとのこと。カタログ値で145 kW (197PS) / 9,500 rpm、最大トルク 155 N·m (15.8 kgf·m) / 7,200 rpmを発揮し、220kgの車体を300km/hオーバーまで連れて行くポテンシャルのユニットです。
これをフロントミッドシップの位置に搭載していますが、このままでは駆動力の伝達方式が噛み合わないので、その辻褄を合わせる必要があります。まずはハヤブサのエンジンから純正どおりにチェーンで動力を出力します。
そうすると動力を受ける方が問題になりますが、なんとサスペンションを含む足まわりにごっそりとカプチーノのものを移植しています。動力の受け取りは、どうやらカプチーノのデフのリングギヤの部分をバイクのスプロケットに置き換えて対応しているようです。かなり大胆な方法ですが、これならファイナルレシオの変更も自由度が確保できるでしょう。
ただし、詳しい方はお気づきかもしれませんが、ミッションもハヤブサのものなのでバック機構はありません。サーキット専用に割り切って、前進のみという“漢”仕様となっています。