走っても全然「楽しくないコース」! 「いいクルマ」を作るために生まれた「トヨタテクニカルセンター下山」ってどんなとこ? (2/2ページ)

2024年3月からいよいよ全面運用開始

 さらに、2024年3月から運用開始となったのが西エリア。ここにあるのは車両開発棟、そして来客棟です。

 とりわけ注目は車両開発棟。ここにはレクサスカンパニー、GRカンパニーの事業・開発拠点です。いわゆる車両開発、評価のメンバーだけでなく、企画やデザイン、開発に設計、そして試作から評価に至るまでの広範な機能がここに集まり、クルマづくりを進めていきます。

 フロアは開放的なデザインで、部門ごとの間仕切りなどはなし。オープンにやり取りができるようになっています。しかも、1階はガレージになっていて、中央エリアや東エリアのテストコースに直結。クルマを走らせ、課題が見つかったらすぐにそこを改良し、また走らせるという、まさにモータースポーツの現場のような車両開発が可能となっているのです。

 一方で、忘れてはいけないのが環境保全と地域への貢献。じつは敷地面積の約6割で土地本来の森林が残され、保全されているほか、新たな緑地の造成なども行なわれています。たとえば盛り土をする部分には、敷地内の別の箇所で掘った土を使う、森林を削ったら、別の場所に同じだけの木々を植える。そうした配慮がなされているのです。東エリアにある環境学習センターは、まさに地域との共生、環境保全のために活用されています。

 単なるテストコースには留まらない、まさにクルマの開発のすべてを担うことができる施設が「Toyota Technical Center Shimoyama」。全面運用開始となった2024年3月からは総勢3000人のメンバーがここに集結して、「もっといいクルマづくり」を実践しているのです。


新着情報