この記事をまとめると
■BEVの普及スピードが世界的に減速し、HEVに再び注目が集まっている
■「HEVの復権」は、諸問題解決の最良に近い解決手段として世界的にも認められた結果だ
■日本企業のこれまでの地道な努力が「HEVの復権」に繋がった
BEVの普及スピードの減速で再びHEVが脚光を浴びている
世界的にBEV(バッテリー電気自動車)の普及スピードが減速しているのは、ここのところの報道を見てもおわかりのとおり。
そもそも、欧米や日本などの先進国は、ICE(内燃機関)車の分野で販売において世界をリードしてきており、ガソリンスタンドをはじめインフラシステムも出来上がっている。そのなかで「●●年以降はICE車の販売禁止」といった、かなり無理のある政策がいままでは目立っていた。
これについては、「悪化する地球環境のためにも」といった側面ばかりが強調されるが、エコロジービジネスをいち早くリードして普及させ覇権を握りたいという勢力の存在も否定できないところ。中国や欧州がBEV普及に積極的な姿勢を見せているのも、そこも大きく作用しているからだ。
東南アジアをはじめ新興国では、大気汚染や現状の原油高傾向が続くなかでの原油輸入量の抑制といった、欧米よりは身近な課題克服のためにBEVに注目している。「とくに1月から3月あたりは大気汚染が深刻になる」とはタイに住んでいる知人の話。
現状でも自動車生産拠点として発展しているタイやインドネシアでは、BEVをはじめCEV(クリーンエネルギー車)の生産拠点としても発展させたいという思惑もあり、CEVの国内普及にも熱心である。
中国も欧米では政治的対立などもありなかなか思うように販売できないなか、中国国内では経済不安で新車の売れ行きが芳しくない状況となっていることもあり、東南アジアへの中国メーカーの積極参入が目立っている。