働くクルマが好きすぎてどうにもならん! 役目を終えたパトカーや救急車や自衛隊車両に乗ることは可能? レプリカはどこまでなら許される?? (2/2ページ)

レプリカどころか本物が買える場合も!

 このような自衛隊車両や警察車両などが「そもそも購入できない」「そのままの仕様で乗ることも許されない」というのは、ある意味当たり前すぎる話だ。ならば「路線バス」はどうなのか?

 子どもの頃、誰もが一度ぐらいは「将来はバスの運転士さんになる!」と夢見たはず。ならば大人となったいま、カネの力で元・路線バスを購入し、レプリカの制帽なども被ったうえで「……左ヨシ。シュッパツ、シンコォ……」などとシブい声でつぶやきながら元・路線バスを運転するのは、かなりステキな趣味なのかもしれない。

 ……ということで調べてみると、元・路線バスを購入して普段づかいするのは、決して不可能ではないようだ。こちらも元・消防車などと同様に官公庁系オークションに出品されることはあり、それを落札すれば「シュッパツ、シンコォ……」は可能となるのだ。ちなみにオークションでの車両価格は10万円から60万円ぐらいである場合が多い模様。意外とイケそうなプライス感である。

 しかし当然ながら、これも決して簡単ではない。元・路線バスを運転するには大型免許が必要であり、バスサイズのクルマが停められる駐車場の確保と車庫証明の取得も、決してイージーではない。また、ICカードリーダーや整理券発行機、運賃箱などは外された状態でオークションに出品されるのが一般的で、乗車定員30名以上の大型バスは「整備管理者」の国家資格を持つ人を選任しないと所有することもできない。

「それでもいいからバスを持ちたい! 運転したい!」という人だけが、官公庁系オークションなどを覗いてみるべきなのだろう。

 最後に考えてみたいのは「民間企業の営業車レプリカは許されるのか?」という問題である。例えばトヨタのことが好きすぎてたまらない人がプロボックスバンの中古車などを買い、ボディ側面にトヨタのロゴを大々的にあしらう。そしてロゴマークの下部に「トヨタ自動車デザイン研究本部 001-02」などの架空の文字を入れてみる──などの話だ。

 筆者はトヨタファンではないのでそれはやらないが、東京ヤクルトスワローズのプラチナ会員として「ヤクルトのロゴと、ヤクルト1000の商品写真」をぜひともレヴォーグの側面に大々的に貼ってみたいとは考えている。ヤクルト本社を勝手に、無償で応援したいのだ。

 しかしこれは、結論からいうとアウトである。まぁ「そりゃそうでしょ」としかいいようのない話だが、メーカーのロゴは「商標権」などで保護されているため、他人が勝手に使うことはできないのである。商業目的で勝手にロゴを使えば逮捕および収監の可能性があり、「個人的な目的での使用だから」といって許されるものでもない。

 そうなると、「ならばフロントフェンダーとかに小さなサイズのメーカーロゴステッカーを貼ることも許されないのか?」という疑問も浮かんでくるわけだが、これも厳密に言えば「商標権の侵害」にあたるのだろう(※弁護士に取材したわけではないのでテキトーな推測です)。

 とはいえ、あなたがサスペンションメーカーの小さなロゴステッカーを愛車のフェンダーに貼ったところで、その会社の顧問弁護士が出てきて「剥がさないと訴えます」とやられることは99.9%ないと思われる。

 具体的にはホンダ公式サイトにある以下のQ&Aが、そのままこの問題についての「現実的な答え」になるはずだ(以下、honda.co.jpより引用)。

Q. Hondaウェブサイトで使用されている画像などを自分のホームページに使いたいのですが。

A. Hondaウェブサイト上の画像・写真・文章表現・デザインにはHondaの権利以外にも、肖像権,著作権,制作会社・広告代理店などの権利が複雑に絡んでおり、正式の手順を踏んでクリアするのはきわめて困難です。原則としてお断りします。
(中略)
また、Hondaの商標であるHONDAロゴマーク、Hマーク、ウイングマーク、などをお使いになることは、商標権上許可されませんので、お気をつけください。(しかし、Hondaとしてインターネット上のコンテンツを監視しているわけではありませんので、もしお使いになる際は、ご自身の責任においてご判断ください。)


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

愛車
スバル・レヴォーグ STI Sport EX
趣味
絵画制作
好きな有名人
町田 康

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