この記事をまとめると
■新年度になり「2024年問題」の影響を実体験することになった
■空港高速バスの無期限運休で重たい荷物を空港まで運ばなければならなくなった
■スーパーでも欠品を見かけるようになり物流業界にも影響が出ていることが考えられる
じわりじわりと感じる2024年問題の影響
働き方改革関連法により2024年4月1日以降、トラック、バス、タクシーなどの自動車による貨物及び旅客運送事業に関し、運転士の時間外労働が厳しく管理されることにより、物流やバス、タクシーの運行にさまざまな問題が発生するのではないかといわれているのが「2024年問題」。
地方や過疎地域だけではなく、都市部も例外なくその悪影響が出てくるだろうと筆者は述べてきたが、4月1日を待たずにその悪影響ともいうべき事象に出くわした。
筆者は羽田空港や成田空港に向かうときに最寄りターミナル駅に発着する「空港高速バス」を利用している。そして、そのうち成田空港を結ぶ路線が4月1日より無期限運休になった。この空港高速バスは新型コロナウイルスの感染が拡大したときに事実上感染予防の観点などで海外渡航もできなくなったこともあり、利用客が見込めないとして運休となっていた。その後、新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、海外渡航も本格的に再開していくなかでも、なかなか運行再開することはなかった。
この空港高速バスは複数の事業者で共同運行していたのだが、新型コロナウイルス感染拡大により、バス運転士の離職が目立ったり、新規雇用がなかなかできないこともあり、運転士の手配ができなかったのが理由にあったようだ。その後、運行再開はしたのだが、運行本数はかなり限定的なものとなり、今回、再度運休となっている。
空港側には乗車時に預けた大きな旅行かばんなどを取り出す専門スタッフはいまもいるが、最寄りのターミナル駅側のバス停では過去には専門スタッフがいたが、途中から運転士が「ワンオペ」で荷物の積み込みを行うようになり、負担が増えている印象も受けていた。
コロナ禍前であっても有料道路網の整備も進み、それほど交通渋滞もなく定時(成田空港まで1時間半ほど)もしくは予定より早めに到着することもあったが、今回は春休みに入った時期でもあり、道路が若干混んでいて30分ほど遅延して到着した。運行開始した当時は、渋滞で時間が読めないので出発時刻の3時間前ぐらいに到着するバスに乗ってほしいともいわれていたのだが、最近は利便性も向上したので、今回の運休は残念な限りである。
鉄道でも、上野駅までJRで向かい、そこから京成スカイライナーに乗ればいいので、それほど不便ではないのだが、京成上野駅とJR上野駅を重くて大きな荷物を抱えて徒歩で移動しなければならないことなどを考えると空港高速バスはとても便利であった。
とはいえ今回の利用でも、ノロノロ程度の交通混雑であっても30分ほど遅延してしまうことを考えると、時間外労働が厳しく管理されることになれば、リスクの高い路線であるために、廃止ではなくしばらく様子を見る意味で「運休」としたようである。
最近スーパーへ行くと、商品の種類を問わずに欠品していることによく出くわしている。いままではよほどの人気商品でもなければそのようなことはなかったので、これも2024年問題により、「物流にもすでに影響が出ているのかなぁ」などとも考えている。