労働時間の制限により廃業する業者まで出始めている
それでも2024問題が直前に迫り、いよいよトラックドライバーの労働時間が限られるため、引き受けられる仕事に限りが出てくることになる。中小の事業者のなかには、対応は無理だと廃業するところも出てきている。
自社の荷物を引き受けてくれるところがなくなってから慌てても遅いから、いまからでも荷主は運送業者と良好な関係を構築していくほうがいいだろう。適正運賃を支払い、適切な配送時間の指定などをすることで信頼関係を築いていくことが、安定輸送につながる。
いままで下請けに仕事を流してきた元請け運送業者も、下請けが減少してしまうと自社で賄える荷物の量が限られてくる。自社の車両やドライバーを増やせればいいが、そんなに簡単に解決できれば、そもそもこの問題は起こらないのだ。
下請け構造を廃止して、中小運送業者が連携して仕事をこなすシステムを作ることが、ひとつの解決策となりそうだ。現在でも仕事を融通するシステムは存在するが、それでも1社で完結する仕事ばかりであり、共同配送や中継輸送といった、複数の運送業者で荷物を運ぶシステムを確立させることが必要だ。
ガイドラインを策定するだけでなく、そうしたシステム作りの後押しをすることも、政府や国土交通省の役割として期待したい。