ダイハツの影響も大きいけれど登録車も落ち込んでいる! 2023年度の新車販売台数を分析した (2/2ページ)

大きく出遅れたダイハツの今年度はどうなる?

 そこで気になるのが、全面出荷停止解除後の動きである。すでに順次出荷再開が行われており、本稿執筆段階では全面再開も時間の問題のようにも見える。本稿執筆段階では軽自動車に限れば出荷停止中となっているのは、コペン、タフト、ムーヴキャンバスのみだが、すでにコペンやタフトの再開が発表されており、ムーヴキャンバスを残すのみとなっている。ムーヴキャンバスは筆者が見た限りでは、届け出済み未使用軽中古車の台数もかなり多いので、ある意味「出荷調整」、そして他車への生産資源の集中などのため再開が最後になっているのかもしれないと見ている。※4月23日に全車種出荷再開を発表

 いずれにしても、消費者は今回の不正についてほぼネガティブに見ているわけではないので、今後のダイハツの販売促進の展開次第では、2024暦年締め上半期(2024年1~6月)や2024事業年度締め上半期(2024年4~9月)あたりですでに「軽自動車販売トップ爆走」という状況になるかもしれない。

 事実、2024年3月単月の販売台数をみると、商用車のハイゼットは2月末、そして軽乗用車で稼ぎ頭のタントが3月末から出荷再開しており、2024年2月比で5000台ほど販売台数を増やしている。とくにハイゼットは3倍近くに台数を増やしている。軽乗用車は2024年2月比でほぼ横ばいだが、これは流通在庫をほぼ使い果たした状態のなかでは仕方のない結果ともいえるが、4月以降は驚くほどの回復を見せているかもしれない。

 そしてもうひとつ気になるのは、ホンダが軽四輪総台数、軽乗用車台数ともに前年比でほぼ横バイになっているということ。現行N-BOXは2023年10月にデビューしているので、それまでは先代型を在庫処分という表現が適切かは別としても売りまくり、その後は新型車需要で盛り上がりを見せていれば前年同期比横バイはあまり考えにくい状況ともいえる。

 現行型は販売で苦戦傾向なのが統計を見ても伝わるようになってきている。

 登録車では、3月単月でみると26万8843台(前年比81.4%)となっているのがおおいに気になるところ。これを2023事業年度締め年間新車販売台数でみると、254万6921台で前年比プラスとなっているので、2024年3月の落ち込み具合がかえって目立って見える。

 2024年3月単月の販売台数をブランド別でみると、ダイハツが前年比でマイナス幅が大きいのは仕方ないとしても、レクサス、マツダ、トヨタのマイナス幅が少々目立っている。ただし、トヨタはダイハツからのOEM(相手先ブランド供給)車となるライズやルーミーが、3月中もほぼ出荷停止中だったため、3月実績扱い(実績にするには3月中に新規登録するのが条件)に貢献できなかったことも大きいようであった。

 ただ、トヨタについてはミニバン系を中心に新規受注停止扱いの車種が目立っており、そのような「生産調整」ともいえる動きも少なからず影響しているようにも見える。国内販売では圧倒的な販売シェアを誇るブランドで生産台数も多いこともあるので、一時の納期遅延からの軌道修正に時間を要するのは、これも仕方ないことなのかもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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