ドライバーたちから絶賛されるコントロール性!
「昨年までのテスト車両はリヤが突発的に出ることがあったんですけど、公認モデルはリヤが粘ってくれる。一瞬、リヤが流れても、すぐにコントロールできるので安心感がありますし、リヤが粘るとフロントがアンダーステアになる傾向にあるんですけど、GRヤリスRally2はしっかりと曲がってくれるので乗りやすいですね」と語るのは勝田選手だ。同時に気になるエンジンに関しても「テスト車両よりもトルクが上がっているのでエンジンも扱いやすい。そこも乗りやすくなっているところだと思います」と勝田選手はインプレッションしている。
これに加えて田口選手も「レーシングカー的な感覚でハンドリングがいいですね。日本の林道ではリヤが出やすくて、どうしてもアンダーステアになりがちだから、セッティングでいいところをいかに見つけるかがポイントです。いまはまだ、いろいろと試している状況なので、もっと速くなると思いますよ」と分析している。
一方、昨年までJN2クラスで国内規定のGRヤリスをドライビングしていた奴田原選手は「同じ競技車両でも足まわりが市販車と同じ国内規定モデルに対して、Rally2は専用の足まわりを持つレーシングカーだから昨年までドライビングしていた国内規定モデルとRally2はまったく違います。すべての動きがダイレクトだし、ステアリングもクイックだから面白い」とファーストインプレッション。
さらに奴田原選手によれば「リストリクターが小さいから、エンジンパワーだけでいえば、国内規定モデルのほうがあると思うけれど、加速とブレーキに関しては、Rally2のほうが圧倒的に優れていると思う。加速に関してはシーケンシャルを使って、エンジンの美味しいところだけを使って加速することができるし、シフトのロスもないから一気にトップスピードへ持っていける。ブレーキも常に四輪が設置しているので、すごくよく利きます」とのこと。
「GRヤリスRally2は全体的に四輪を使って走っている感じです。国内規定モデルだと、どっかのタイヤに荷重が大きく乗ったりしてインリフトしますが、Rally2は四輪すべてを使えるのでトータルでのグリップ力は高いし、トラクション性能も高いと思います」と分析する。
ちなみに、GRヤリスRally2は整備性も良く、ヌタハラ・ラリーチームのチーフメカニック、山田淳一氏によれば「整備性はいいですね。いろんなことがうまく考えられていると思います。これまでグループAやグループNなど、いろんなクルマを触ってきましたが、それと比べてもRally2は簡潔に作られていると思います」とのことだ。
まさにGRヤリスRally2はラリー競技のカスタマー用モデルとしては最高峰となるマシンで、今後もJN1クラスではGRヤリスRally2がトップ争いの主導権を握るに違いない。