待望の水素ステーションもSAに登場!
続いて、2021年4月1日から、確実に駐車したい人のための「予約可能な駐車マス」があるのをご存知ですか? これは、足柄SA(上り)と浜松いなさインターチェンジの路外スペースに設けられたものですが、残念ながら一般車両ではなく、ダブル連結トラック用の駐車マスの話です。じつは2019年1月に特殊車両通行許可基準が緩和されたことを受けて、NEXCO3社ではダブル連結トラック用の駐車マスの整備を行ってきたところ、自分勝手にそれ以外の車両が駐車してしまい、ダブル連結トラックの駐車ができないという問題が発生。
そこで、確実に駐車できるよう、事前予約ができるようにしたとのこと。まだ一般車両には適用されていませんが、「休日の混雑時などは一般車両の駐車マスも予約制にしてもいいのではないか?」という議論が持ち上がっているようなので、将来的には一般車両も事前予約ができるようになり、駐車待ちの行列が減るかもしれませんね。
さらに、大型車においてはSA・PAの新しい利用方法が生まれているところもあります。これはドライバーの働き方改革を進めるためにもひと役買っていますが、スマートICが設置された新東名高速道路の浜松SAに中継物流拠点である「コネクトエリア浜松」が整備され、運用を開始しています。
長距離輸送の大型車は、大阪方面から来た車両と、東京方面から来た車両がここで落ち合い、ドライバー交代をしたり、トレーラーやベッドを交換することが可能となるもの。従来ならドライバーの拘束時間は2〜3日必要だったところ、コネクトエリア浜松を利用することで日帰りが可能となり、約12時間程度に短縮できるとのこと。路面の平坦性を確保し、照明完備で夜間でも作業が可能というのも嬉しいところですね。
さて、一般車両向けの改善策としては、より精度の高い満空情報の提供があげられます。現在は、SA/PA内に設置したカメラからの画像データを処理して、混雑状況を把握しているほか、フリーフローアンテナを設置することでそこから得られるETCデータを活用した満空判定技術も導入されています。
それに加えて今後は、赤外線レーザーなどを使った先進の画像処理技術を活用して、全駐車マスの利用状況を完全に把握し、よりきめ細かな満空情報の提供が可能となっていくとのこと。ETC2.0はもちろん、スマホアプリでの情報提供も行い、ユーザーが確実に駐車できるような環境づくりを整えていくようです。
また、高速道路上の余っているスペースを活用し、「ミニPA」を整備していくことも検討されています。これは数台の駐車マスとトイレがある程度のものになりそうですが、渋滞時など切羽詰まった時にはそれだけでも助かるものですね。
そしてもうひとつ、2023年9月15日に、高速道路に初めて水素ステーションがオープンしました。これは東名高速道路の足柄SA(下り)で、一般車両だけでなく大型車にも短時間で充填が可能とのこと。航続距離の長さがウリのひとつであるFCVですが、やはり500km以上の走行は不安が伴うものでした。でも今後は、足柄で充填できるようになったことで、さらに先へと目的地を伸ばすことができるのではないでしょうか。
ということで、さまざまな時代の変化に合わせて変わりゆくSA・PA。今後もあっと驚くようなサービスが登場するかもしれませんね。