やっぱりダイハツ不正の影響は大きい! 2023年度の新車販売台数ランキング「盤石のクルマ」と「急落したクルマ」 (2/2ページ)

トヨタはダイハツ問題のあおりをモロに受けた

 ダイハツ不正問題をモロに受けたのがトヨタ・ルーミーといえるだろう。2023事業年度の最後になって出荷停止となったものの、それでも前年比77.3%となり、含軽統計13位になっている。ルーミーより早い時期から今回の不正に巻き込まれた、トヨタ・ライズもルーミー同様に前年比76.7%まで台数を落とし、含軽統計で25位になっている。いずれもランキング上位の常連だっただけに残念な結果となっている。

 ルーミーとライズのガソリン車は受注再開をしているものの、販売現場で話を聞くと「お客様からの問い合わせはほとんどないし、また何かあるのではないかとの漠然とした不安もあり、なかなか販売促進もできない」といった状況にあるようで、出荷や受注を再開してもまだまだダイハツの不正問題は後を引きそうである。

 登録車だけのランキングでは上位10車中7台がトヨタ車となっている。あとは日産がノートとセレナ、ホンダはフリードが入っている。いずれも販売主力車種で上位ランキングの常連だが、今後を見ていくとプリウスに注目したい。プリウスはここのところ納期の短縮傾向が目立っている。本稿執筆時点で発注すると、PHEV(プラグインハイブリッド車)が8月以降、HEV(ハイブリッド車)が年内に間に合いそうな納期となっている。少し前の「最長で5年待ちか?」といった状況に比べればはるかに納期は改善されている。2024年は納期改善傾向にあるので、今後登録車のみではヤリス、カローラ、そしてプリウスでトップ争いが展開されるかもしれない。

 軽自動車のみでは大事な事業年度末決算セールに出荷停止となってしまったものの、結果を見ればダイハツ・タントが前年比101.4%で3位に入っているのには驚きである。2024事業年度については、フルモデルチェンジ以降好調を維持しているスズキ・スペーシアがどこまでN-BOXに迫ることができるかに注目したい。新型になったN-BOXやスペーシアに対し、出荷停止もとけたタントも熟成モデルとしてどこまで“暴れる”ことができるのかも興味深いところである。

 大企業を中心に賃上げが話題となっているものの、ここのところの政治の混迷や、増税気運の先行、やまない物価高など新車販売を取り巻く環境はどうみてもよくない。これが2023事業年度以上に販売台数に悪影響を与えないかもおおいに気になるところである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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