ボルボっていうよりも……なぜかホンダ感漂うハッチバック「ボルボ480」ってナニモノ? (2/2ページ)

ポルシェの協力を得てターボ化!

 さらに、ボルボははっちゃけたアイディアを480に投入しました。1988年にはポルシェがチューニングしたインタークーラー付きターボを搭載した480ターボを発売。わずか15馬力アップの120馬力とはいえ、それまでのズングリした加速に比べれば雲泥の差。

 アメリカの自動車専門誌では「!」マークの連続で高評価を受けたのでした。

 この480ターボは日本にも正式導入され、300台が売り切れたとのこと。価格は397万5000円と、当時のスペシャリティ輸入車としてはなかなかにリーズナブルだった印象があります。

 ところで、スペシャリティの8はインテリアのデザインやクリエイティブにもいかんなく発揮されています。たとえば、ドライバーオリエンテッドなインパネや、リヤシートも独立した4人乗りとするなど、ボディスタイルとマッチしたクオリティが特徴かと。

 もちろん、当時のボルボが声高に主張した360度の視界も確保されており、比較的スラントしたフロントスクリーンを考えれば大したもの。ボルボらしい安全至上主義が垣間見えるポイントといえるでしょう。

 残念ながら、480はアメリカの景気が減速したために、ボルボの思惑通りウハウハ売れたわけではなかった様子。ですが、前述のとおりボルボがもつオシャレDNAの体現、そして次世代モデルへの継承という役割は存分に果たしたといえるでしょう。

 ちょっと古い輸入車としてそれほど注目されていないのか、中古市場でも高騰しているわけでもなさそうです。北欧マニア、ボルボファンは探してみるのも一興ではないでしょうか。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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