届け出を無視したらユーザーにも責任が問われる!
そこで気になるのがユーザー側の対応だ。仮にリコールの通知を受けながら、放置しておき、それによって事故が発生した場合はどうなるのか。リコール専門の問い合わせ窓口では、以下のように返答した。
「リコールが生じた直後に、その不具合が原因で事故が発生したときは、製造メーカーの責任になる可能性が高い。しかし、リコールの通知を受けるなど、ユーザーがその発生を知りながら長期間放置した場合は、ユーザー側に責任が生じる可能性もある。なぜならユーザーは、道路運送車両法において、自分の車両が道路運送車両の保安基準を満たすように維持する義務を負っているからだ」
「つまり、リコールを知りながら回収と修理に応じないことは、保安基準を満たすように維持する義務の不履行に該当する。実際にはユーザーがリコールに対応せずに事故が生じた場合でも、メーカーの責任は生じるが、同時にユーザー側の責任も問われることになる」
このように注意が必要なのは、保安基準に関するユーザーの義務だ。リコールに限らず、たとえばブレーキパッドやタイヤの摩耗したときの交換なども含めて、ユーザーは車両の安全を維持する義務を常に負っている。タイヤの交換もリコールも基本は同じで「忘れていた」では済まされない。