類まれな技量と集中力を持つF1ドライバー
また、F1ドライバーになるには特別な資格、FIAが発行するスーパーライセンスが必要になる。
このスーパーライセンスを新たに取得するには、過去3年間でライセンスポイントを40点以上獲得するか、過去2シーズンに加えて申請年の見込み獲得ポイントの合算が40点以上となるのが原則。
スーパーライセンスポイントを獲得するにはFIAが指定した各カテゴリーのレースで入賞することが条件で、それぞれフルシーズンの80%以上のイベントに出走する事が欠かせない。
付与されるポイントもレースカテゴリーと順位によって違い、例えばFIA F2選手権やインディカーなら優勝1回で40点。日本のスーパーフォーミュラなら、優勝1回で25点。各国F3選手権だと優勝1回で10点。スーパーGTだと優勝1回で20点といった具合。
このスーパーライセンスをもっていることは、F1ドライバーとしての最低条件なので、スーパーライセンスをもっていようが、下位カテゴリーでチャンピオンを獲ろうが、F1チームからお呼びがかからなければF1ドライバーにはなることができない。
というわけで、F1ドライバーになるためには、まず速さが必要なのはいうまでもないが、それ以外にF1のジュニアチームの出身だったり、自動車メーカーのバックアップや強力なスポンサー、持参金の多寡、知名度、人気などのさまざまな要素も絡んでくる。
ただし、本当に飛び抜けたパフォーマンスを持っていればハナシは別。
現役世界チャンピオンのマックス・フェルスタッペンは、2015年に史上最年少、17歳でF1にデビューし、彼の登場以降、スーパーライセンスの発給は「18歳以上」という年齢制限が加わったほど。
また、2007年の世界チャンピオン、キミ・ライコネンは、ジュニアフォーミュラ(フォーミュラ・ルノー)で23戦しただけで、F1ドライバーに抜擢。F3の経験すらなかったので、スーパーライセンスは当初4戦限定の仮ライセンスとして発給された(F1デビュー戦で6位入賞を果たし、正式なライセンスが降りた)。
いずれにせよ、2024年の日本グランプリの予選を見ても、約6kmの鈴鹿サーキットを走って、トップ8は0.589秒以内の差でしのぎを削るとんでもない世界なので、F1ドライバーの技量、集中力は凄まじいレベルにあることは間違いない。