現役デザイナーによる作品のブラッシュアップが人気
もの作りへの興味を喚起する機会を拡げる
当日の目玉は、授与式後に行われるスケッチ講習会。受賞者はメーカーの現役デザイナーとともに、自身の作品をブラッシュアップする機会が与えられます。前回までは手描きのみでしたが、今回からはデジタル画も含めた内容にバージョンアップしました。
では最後に、本イベントがデザインの現場に対してどのような意味を持つのか、デザイン部門委員会委員長の田口雄基さん(スズキ株式会社 商品企画本部四輪デザイン部 デザイン企画グループ係長)に話を聞いてみました。
「いま社会で何が求められているのか、デザイナーは常にリサーチを行っているのですが、それはどうしてもクルマという媒体を通したものになってしまう。しかし、こうしたイベントで提案される発想は、私たちの想定を遙かに上まわる意外性や驚きがあるし、そもそも価値基準が従来とまったく異なっているんですね。それを感じられる機会は非常に重要です。今後、中高生の皆さんに期待するのは、学校の授業のような模範的解答ではなく、あたかも家族にフッと漏らす本音のような提案ですね」。
いま、若者のクルマ離れが語られていますが、じつはカーデザインに限らず、いわゆる「もの作り」系デザイン全般の人気に翳りが見られます。そんななか、若年層の興味を喚起するこうしたイベントはじつに貴重な機会といえるでしょう。できれば、モビリティショーとの連携など、より幅広いアピールがあってもいいかもしれません。
【第12回モビリティデザインコンテスト受賞者(敬省略・佳作除く)】
■モビリティデザイン大賞:山口レオン剛史
■モビリティデザイン賞:(中学生)小路裕紀(高校生)鵜殿正基
■ダビンチ賞:寒河江美晴
■審査員特別賞:(高校生)峯岸季市 藤木真優