パーツが製廃となっている部分も新品のような仕上がりに!
まずベースとなる車両は妥協のないフルレストアによって、隙のない仕上がりになっています。たとえば、とうの昔に部品が製造廃止になっている独特の構造を持つブレーキ&ホイールまわりも新品のように仕上がっています。
そんな最上級の状態の車両をベースにして、マニアも納得の当時モノのカスタムパーツを装着したうえで、こんな大胆なコーディネートをしてしまったのですから、観客から歓声が上がるのも頷けますね。
では阪神タイガース・コーディネートの注目部分をピックアップして見ていきましょう。
まずはいちばんアピール度の強いフロントカウル。往年の耐久レーサー風デュアルライト仕様のオリジナル・ロケットカウルに、当時モノのシビエ製ライトとタイガースのマークをあしらったカバーを装着。ミラーもビタローニのカリフォルニアでセオリーを尊重しています。
リヤパートも当時のセオリーに従って、ハネ付きのビートテール&アルフィンカバーという構成でキメつつ、白/黒/黄のカラーでタイガースをアピールしています。
チェーンカバーにまで阪神タイガースのペイントが施されています。ホイールやチェーン&スプロケットをゴールドで統一して、一体感を高めているあたり、芸が細かいですね。
マフラーは、虹色の焼けがキレイなサイレンサー部分がチタン製で、エキゾーストパイプの部分は真鍮製という独自のこだわりで作られたオリジナル品。管楽器のように音の響きを追求した結果に辿り着いたそうですが、バイク用の真鍮パイプ素材はほぼなく、曲げ加工も従来どおりには行かないハズなので、製作は簡単ではないのではないでしょうか。
当然エンジンもしっかりオーバーホールされ仕上げられています。パワーを求めてボアアップなどをおこなうケースも多いのですが、この車輌は400ccらしい排気音を追求するため、純正通りの排気量にこだわっているそうです。
よく見ると、サイドカバーにもタイガースのマークが刻印されています。これは手間が掛かった仕事ですね。
派手な黄色のグリップがしっくり来ているハンドルまわり。オリジナル品のハンドルパイプはチタン風の焼け仕上げされたスペシャル。チタンメッキされたフロントフォークとのコーディネートのキマってます。
タンク上面に文字が見えるでしょうか? これは阪神タイガース応援歌の「六甲おろし」の歌詞のようで、徹底ぶりに感心させられます。
ブースの奥には、1台1台詳しく取材したいくらいの車両が並んでいました。