この記事をまとめると
■「トラック」には「ピックアップトラック」以外にふたつの種類が存在している
■軽トラを含め、多くの国産トラックは「キャブオーバー型トラック」に分類される
■海外では「ボンネット型トラック」が主流だが、かつては日本でも多く使われていた
「トラック」は想像以上に種類が多い
荷物を積むために、ボディ後方にむき出しの荷台を備えるクルマを「トラック」と呼んでいるが、一口にトラックといってもさまざまなスタイルが存在している。
たとえば、先日より国内販売が始まった三菱トライトンは、荷台をもちつつ、非常にスタイリッシュなボディをもっているが、このようにキャビン(乗員スペース)と荷台が一体になっているタイプは「ピックアップトラック」と分類される。
キャビンの形状にも独特の分類がある。日本向けトライトンの場合は、2列キャビンで前後にドアをもつためダブルキャブと呼ばれる。同じようにボンネットをもつピックアップ型であっても、1列だけのキャビンの場合はシングルキャブと呼ばれる。さらにドアは左右2枚だが、後席を持つ場合はエクストラキャブやキングキャブといった呼称で区別される。
一方、キャリイやハイゼットなどの軽トラックからいすゞギガなどの大型トラックまで、日本で使われている働くクルマであるトラックの多くは、ボンネットをもたずフロントタイヤの上に運転席があるボディ形状がほとんどだ。こうしたタイプはキャブオーバー型と呼ばれている。
乗降性には不利なキャブオーバーだが、視点が高いことはとくに大きなトラックにおいては有利なポイント。また、軽トラックなどボディサイズ(全長)が制限されるカテゴリーにおいては、荷台スペースを最大限に取れるというメリットもある。そのためキャブオーバー型が主流となっている。
アメリカのトラックなどは大型タイプであってもキャビンの前方が伸びたボンネット型を採用していることが多い。じつは日本でも昭和40年代まではボンネット型が多かったが、スペース効率的には不利なため、キャブオーバーにシフトしていったという経緯がある。
ピックアップトラックも広義のボンネットトラックに含まれるという見方もあるが、世界的にはパーソナルユースで乗用車的に使えるように考慮したモデルについて、「ピックアップトラック」と呼んで区別していると理解しておけばいいだろう。