この記事をまとめると
■2024年4月から都市部でライドシェアの導入が開始
■しかしタクシー業界の思惑により本来の「ライドシェア」のメリットが出てない
■交通過疎地域ではなく大都市から導入される点にも疑問がある
タクシー会社の思惑が見え隠れする中途半端なライドシェア
ようやく4月から日本でもライドシェアが解禁された。まず東京、神奈川、愛知、京都の4都府県の一部地域で導入され、続いて札幌や大阪、福岡などでも5月以降に走り始めるという。
とはいえ「日本版ライドシェア」という呼び名があるように、アメリカのウーバーなどとは違う部分が多い。
日本版ライドシェアは、タクシーが不足している地域や時間帯で、タクシー会社に登録した一般ドライバーやマイカーを活用する仕組みで、タクシーの配車アプリを使い、運賃はタクシーと同一。タクシー会社は登録したドライバーの研修や運行管理を行い、事故が起きた場合の対応も行うという。
タクシーという言葉が何度も出てきたことでわかるように、4月から始まるのはタクシー会社の運営になる。もちろん事故対応などの安心感はあるだろうが、少し前までライドシェアに強硬に反対していたタクシー業界が、自分たちに都合のいいルールを押し付けた結果であることが伝わってくる。
そもそもタクシーは、そんなに安全な移動手段ではない。国土交通省が出した、2021年度の走行距離1億kmあたりの事故件数の統計では、自家用車が42.7件なのに対し、タクシーは149.9件と3倍以上にもなっている。
さらに年齢別では70〜74歳の事故件数がもっとも多く、空車時の事故件数が輸送時の3倍以上という数字も出ている。
なので僕はアメリカのように、自由な働き方がしたいという若い人が、副業のひとつとして、流しではなくアプリでの依頼に応じて移動をサポートするのは、アリだと考えている。他人を運ぶ自体が危険なら、ドライブデートも危険となってしまうわけだし。
反対意見が根強いウーバーイーツだって、実際には多くの人が利用し、配達をしていることが、飲食店に行けば一目瞭然だ。一部の人が大きな声を上げているという状況は、ライドシェアにも当てはまるような気がする。