この記事をまとめると
■フォーミュラ・ドリフト・ジャパンにWRC王者のカッレ・ロバンペラ選手が参戦
■出走するドライバーにロバンペラ選手の技量や印象を語ってもらった
■すべての選手が注目している状況で、今年は“打倒ロバンペラ”の空気が漂ういそうだ
FDJに現れた風雲児は今年イチの注目株!
4月6〜7日に富士スピードウェイで開催された2024年のFDJ第1戦では、WRCで2連覇を果たしたカッレ・ロバンペラ選手が圧倒的なパフォーマンスを披露。既報のとおり、TOP16で敗戦を喫したとはいえ、予選で2位を獲得したほか、TOP32ではライバルを完全に押さえ込むなど素晴らしい走りを披露していたのだが、そのWRC王者の走りをライバルたちはどのように見ているのだろうか?
ここでは、昨年の岡山大会でロバンペラ選手と上位争いを展開した2023年のチャンピオン、KANTA選手と“天才中学生”の異名を持つ箕輪大也選手にロバンペラ選手の強さの秘密を分析してもらった。
まず、弱冠15歳ながら、ロバンペラ選手を抑えて今大会の予選を1位で通過した箕輪選手は、「ラリーの最高峰のドライバーだけあって、アクセルやブレーキの使い方が上手ですね。とくにウエットでのコントロールがすごい。金曜日の練習走行や昨年の岡山でも抜群のドライビングでした。自分も見習いたいんですけど、真似のできないレベル。同じギヤ比で走ると追いつけないと思えるほどパフォーマンスが高い」と分析している。
さらに、「ロバンペラ選手を見ていて驚いたのは練習からほとんどミスがないこと。フィジカルはもちろん、メンタルも強い。それに初めてのコースでもすぐに合わせ込んでいけるところもすごいと思います」と付け加える。
一方、2024年に合わせてチーム体制およびマシンを変更しながらも予選を12位で通過するも、残念ながら決勝はマシントラブルで不戦敗となっていたKANTA選手は、「基本的な運転のレベルが高いですよね。マシンのコントロールが抜群で、何回走っても同じような走りでまったくブレない。しかも、アクセルにしてもブレーキにしてもすべての操作が丁寧ですからね。ドリフト競技をやってきたドライバーからみてもスバ抜けていて、さすがはWRCチャンピオンだな……と思えますね」とロバンペラ選手を分析している。
さらに、「ロバンペラ選手は対応能力もすごいと思います。昨年の岡山でもそうでしたが、刻々と変わる路面のグリップ感をいち早く掴んでいますよね。路面の色を見て予測をしていると思うんですが、それにプラスして最初のコーナーに飛び込んだときに瞬時に合わせ込んでいくので、それは本当にすごいと思う。やっぱり、WRCドライバーは路面を見る力がすごいなぁ……と感心します」とのことだ。
ちなみにKANTA選手はFDJに参戦しながら、2024年はGRヤリスを武器に全日本ラリー選手権のJN2クラスにも参戦中で、「僕も路面の判断をやっていかないといけないですね」とロバンペラ選手から多くのことを吸収したようだ。
「すべての選手がロバンペラ選手を見ていると思います」とはKANTA選手の言葉だが、まさにロバンペラ選手はファンだけでなく、ライバルたちにとっても注目の存在で、“打倒ロバンペラ”をターゲットにすることで、FDJのレベルはさらに高くなっていくことだろう。