この記事をまとめると
■新車の納期が長引いた際、発注をキャンセルできるのか解説
■契約の成立前であれば可能だが、販売店では特別な事情がない限りキャンセルは難しい
■納期が長い車種だと、その間にモデルチェンジの可能性があるので下調べが重要だ
クルマはオーダー後にキャンセルってできる?
最近はクルマの納期が短縮傾向にあるが、それでも1年以上を要する車種は少なくない。新車の納車を待つ間に、さらに魅力的な新型車が登場することもあるだろう。そのときにはキャンセルできるのか。
自動車公正取引協議会の見解では、「契約の成立前であればキャンセルが可能。契約成立時期は、登録や引き渡しのなかで、一番早い日になる」としている。つまり、納車に先立つ登録(軽自動車は届け出)の前であれば、キャンセルできることになる。
しかし販売店の見解は異なり、以下のように述べた。
「メーカーに注文を入れて生産計画も決まると、キャンセルすればメーカーや販売会社に実害が生じる。従ってそれ以降のキャンセルは勘弁してほしい。予め受け取った諸費用相当の申込金も返却し難いが、納期が半年以上に長引くと、お客さまの事情も変わってくる。そこで生産計画が決まる前に、納得できる事情があれば、キャンセルにも応じている」
このときに問題になるのは「納得できる事情の範囲」で「新しく登場した新型車が気に入ったというのはやめてほしい」とのことだ。
つまり、新車の購入契約をする意思を販売店側に伝えたら、特別な事情がない限りキャンセルは難しい。そうなると納期の長い車種を選べば、ユーザーはリスクを背負わされる。
いい換えればメーカーは、商品を販売する以上、適切な納期でユーザーに車両を届けねばならない。これを怠ると、ユーザーにリスクを押し付けることになる。「購入に値しないクルマ」ともいえるだろう。このように考えて、納期の長い車種の購入を見送る方法もあると思う。
それでも納期の長いクルマに乗りたいなら、納車を待つ間に自分にとって魅力的な新型車が登場しないか、予めチェックしておきたい。確定的な情報ではないが、クルマのウェブサイトや雑誌には、新型車の予想情報がいろいろと掲載されている。
とくにすでに存在する車種のフルモデルチェンジについては、予想もしやすい。発売後6年以上を経過した車種は、いつフルモデルチェンジを行っても不思議はない。納期の長い新車を買えば、納車を待つ間に、6年以上を経過した車種が新型になる可能性がある。
そうなると、納期の長い車種はよほど惚れ込まないと購入しにくい。それができないときは、納期が3カ月以内に収まり、なおかつ比較的高値で売却できる妥当なクルマを取り敢えず買っておく。その後、欲しい車種が現われて、納期が短縮されたら乗り替える。そうなったときに、取り敢えず買ったクルマを高値で手放せれば、本当に欲しい新車にも乗り替えやすい。