値引きの大きい「改良前」を狙うと受注停止になっている可能性も
「価格変更を行っても、部材費や陸送費など物価上昇分を十分吸収できるレベルにはなっていません。そのため、最近では一部改良程度を実施しても、その後はメーカー希望小売価格からの値引きが数万円程度に絞られてしまうメーカー系ディーラーも出てきています」とは事情通。
それではいまどきはどんなモデルがねらい目なのかと聞くと、「値引きを意識したクルマ選びなら、昔と変わりませんが改良が直近で行われていないモデルがねらい目となります。コロナ禍前ほどの大幅値引きはなかなか期待できませんが、トヨタならRAV4やハリアー、ホンダならフリードといった人気モデルもねらい目であるといえるでしょう」(事情通)。
以前ならモデルチェンジや改良直前で、新型車への切り替え直前でオーダーストップにまもなくなる「末期モデル」状態がねらい目だったが、いまはバックオーダー消化期間を考慮し、たとえば改良実施の半年前にオーダーストップされてしまうことも珍しくないので、なかなかタイミングが読みにくくなっている。改良を行ってからの経過期間が1年未満ぐらいあたりがおおよその狙い時といってもいいだろう。
それでも、昔よりは値引き条件は渋くなっているので、下取り車があれば下取り査定額に値引き支援分が上乗せされるのだが、これが全体の値引き条件を大きく左右している。査定額が伸び悩んでいると感じたら、買い取り専業店へもち込むなどして、下取り車の高値売却先を模索することも必要となってくるだろう。
登場したばかりの新型車は確かに気になるところだが、いまのような物価高がなくともメーカー希望小売価格はアップしてきたし、いまどきは日本車でも数十万円単位の価格アップも珍しくないので、「タイミング」というのはより重要になってきているといえるだろう。