【試乗】輸入MPV2車の走りを比較! 乗用車的カングーに対してドブロはどこか商用車的な乗り味 (2/2ページ)

カングーはもう商用車とは言わせない

試乗で表れた違い

 走り出してみるとパワートレインの違いを強く感じた。カングーは1.3リッターターボガソリンと7速DCTの組み合わせ、ドブロは1.5リッターディーゼルターボと8速ATの組み合わせだ。どちらも低速トルクは十分にあり、不満を感じるシーンはなかった。

 カングーのDCTは制御も含めて滑らかに仕上がっていて変速ショックが少なく、アップダウンのある場所でもスムースに加減速していく。一方、ドブロは制御がやや荒い印象があり、変速時にギクシャクした印象を感じる。とくに旋回しながらの上り坂ではそれを強く感じた。日本の道路や使用シーンではまだギヤ比が合っていないというのもあるのかもしれない。

 また、カングーは全体的にしっとりとした乗り心地なのに対して、ドブロはギャップなどで少し角が目立つような印象だ。後部座席に乗る人からはカングーのほうが好評なのではないかと思う。ステアリングインフォメーションもカングーのほうがしっかりとしていて、運転していて安心感がある。

 両車を大雑把にいい分ければ、カングーのほうが乗用車的な乗り味でドブロのほうが商用車的な乗り味だ。どちらも商用車に起源があるモデルではあるが、カングーは日本市場での声を上手く取り入れながら乗用ミニバンとして進化をしてきた歴史があると感じた。対してドブロはまだ日本市場に入ってきたばかりであり、今後の進化に注目していきたいところだ。

 これまでカングー一強といえた輸入車MPVというジャンルだが、今後はお互いに追いつけ追い越せで競争が激化していくことだろう。目が離せないジャンルだ。


西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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