この記事をまとめると
■カーボンニュートラル実現にはゼロエミッション車へのシフトは避けられない
■最近よく報道されている「EV減速・ハイブリッド復権」というのは短期的な調整局面だ
■気持ちよく運転できるクルマへのアプローチはエンジン車とEVでは異なると知ればEVをまっとうに評価できる
カーボンニュートラルを実現するならEVへのシフトは避けられない
クルマ好きのなかにはEV(電気自動車)を目の敵のようにとらえている人もいるようだ。最近、EVのシェア拡大が減速しているという報道もあるが、まさに我が意を得たりと「EVよりハイブリッドカーのほうが環境負荷は小さいのだ」と主張する向きも少なくない。
もっとも、EVセールスの減速という点については、それが恒久的な流れなのかいわゆる調整フェイズなのか、現時点で判断するのは難しい。一般論として、世の変革期においてある方向に一心不乱に進むということはなく、揺り返しがあるのは常だからだ。
そもそも、世界的に2050年あたりのカーボンニュートラルを目指しているのであれば、いつまでも化石燃料を用いるモビリティを利用するわけにはいかない。その意味では長期的にはハイブリッドカーを含めたエンジン車からEVを軸としたゼロエミッション車にシフトしていくという大筋の流れにあることは間違いないだろう。
ただし、短期的には充電インフラの整備や製造コスト(≒製造時のCO2排出量)など、EVシフトが時期尚早となる地域や状況が存在しているのも事実。
このところ報道されている「EV減速・ハイブリッド復権」というのは、短期的な調整局面と捉えておくのが適切ではないかと思う。
今回は、こうした前提に立って、いまのEVラインアップをクルマ好きとして、どのように見ていくべきかということを整理したいと思う。