いまどきは駆け引きよりも正直な交渉が好まれる
それでも交渉の余地はある。車種の選択に迷っているときは、素直に両車の見積りを取り、値引きや下取り車の査定額を比較すると良い。
注意したいのは、ライバル車を無理に立てることだ。たとえばセレナが欲しい場合、ライバル車だからといって値引きの競争相手にノア&ヴォクシーやステップワゴンを無理に持ち出しても、セールススタッフに見透かされる。
仮にライバル車を挙げるなら、その車種の魅力を自分なりに考えておくことが大切だ。「セレナに比べて、ステップワゴンのどこが気に入ったのか」ということ。実際に試乗して、自分なりに気に入ったデザインや機能を見つけておく。ウェブサイトや雑誌の情報では、自分の意見にはならず、セールススタッフにも見抜かれる。
販売店からは「同じカテゴリーの車種同士で迷うお客さまは意外に少ない」という話も聞かれる。「車内が広くてスライドを備えたセレナが第一候補だが、じつはSUVのハリアーもカッコ良くて好き」と考えているユーザーも多いわけだ。販売店では「ご自分の迷いを素直に商談にもち出したほうが、現実味も強まる」という。
販売店のスタッフを尊重しつつ、正直に商談を進めるといい。そして、値引き商談を終了するタイミングも見極めたい。「どうしても1台売りたいときは、ギリギリまで値引きを要求してくるお客さまの希望に応えることもあるが、大体売りっぱなしになってしまう。嫌な客については、車検や点検で車両の引き取りや納車に応じるなどの便宜も図ろうとは思わない」とのことだ。
スマートな大人の商談を心がけたい。