車内を見えないようにする工夫も大切
セキュリティを考えると、車中泊においては窓を全閉にして、もちろんドアロックもかけることが理想といえる。自宅で眠るときに施錠をしないというのは考えづらいだろうが、それは車中泊でも同様である。
昨今、キャンプ場における盗難事件に関する話を見聞きすることも増えているが、やはり身の安全は自分で守るのが基本となる。クルマのなかで眠る車中泊というのはドアロックできるという点でテントと比べて安全性が高い。そうしたアドバンテージはしっかり活用したい。
貴重品の管理についても同様で、ドアロックをしていてもシートの上などに財布が見えるように置いておくと、誰かのやましい心を刺激してしまうこともある。貴重品はグローブボックスなどに隠しておきたい。睡眠中の無防備な姿を見られないよう、カーテンやシェードで窓を目隠ししておくことも必須だ。
もっとも、換気しないというのもネガがあるため、筆者は季節に応じて、ドアバイザー分だけ窓をあけて換気をするようにしている。これは夏場の車中泊においても同様だ。
たしかに蒸し暑い、熱帯夜での車中泊においては窓を全開にしたくなるが、セキュリティ上の問題を考えると、それは難しい。かといって、冒頭でも記したようにエンジンをかけてエアコンを動かすのも違う意味でNG行為となる。車載バッテリーでエアコンを動かせるようなキャンピングカーならまだしも、通常はポータブル電源+扇風機といった手法がせいぜいといえるかもしれない。
そもそも車中泊というのは、「疲労が溜まってしまい、このまま運転を続けるのは危険なので仮眠をとる」というのが建前といえる。寝苦しくて起きてしまったのであれば、次の目的地に向かって移動を始めるタイミングということかもしれない。安全に運転できるだけの体力を回復できているという前提ではあるが、移動中にはエアコンも動かせるわけだから……。