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カーナビの元祖を作ったホンダは偉い! 「紙芝居ナビ」とも形容されたその中身とは (1/2ページ)

カーナビの元祖を作ったホンダは偉い! 「紙芝居ナビ」とも形容されたその中身とは

この記事をまとめると

■「カーナビ」の元祖でもあるホンダの「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」を振り返る

■地域ごとの地図シートに現在地を示すという当時としては画期的なものだった

■2017年にはその功績を讃えてIEEEマイルストーンに認定された

カーナビの元祖は1981年にホンダが開発した

 いまや、クルマに欠かせない装備のひとつがカーナビゲーションだろう。標準装備、オプションもあれば、ディスプレイオーディオにスマホのナビを連携させている人もいるはずだ。昭和の時代にはカーナビゲーションなどなく、地図や出発前につくった自作のこま図経路を頼りに目的地に向かったものだ。助手席の彼女がナビゲーターの役割を果たしていたなんて、遥か昔のことである。

 さて、今回は元祖ナビゲーションシステムの話である。1970年代は日本におけるモータリゼーションが急速に発展した時代だったが、もちろん、ナビゲーションに欠かせないGPSの位置情報などなかった時代。そこで、ひと足早く、世界初の地図型自動車用ナビゲーションシステムを開発したのが我らがホンダだった。

 1981年9月22日に発売された2代目ホンダ・アコード/ビガーに初搭載された「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」こそ、世界初のナビゲーションシステムだ。簡単に説明すると、ホンダが開発したジャイロセンサー(加速センサー)と距離センサーによって、クルマの移動する方向と距離を検出。16ビットCPUで現在位置を計算し、道路上の自車位置を電子データとして置き換え、自車位置データをディスプレイ画面上に重ねてある地図に表示させるというものだ。

 表示部としてダッシュボード中央に設けられた6インチのブラウン管(!)があり、メカニズムとしては方向センサー、走行距離センサー、航法コンピューターで構成され、ブラウン管ディスプレイに走行軌跡、現在位置マークを表示。その”前面”にセルロイドの透過性地図シートが設置され、地図上に自車位置を表示するのである。

「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」の筐体は、中央に画面、左側に表示モード、明るさ、表示スイッチ、ダイヤル式の方向セット、右側にマーク、地図縮尺(1:25万と1:10万など)、電源スイッチ、そしてなんともアナログなのが、画面下にある地図固定「下げる」、地図移動「上げる」などといったスイッチと、地図挿入口(!)があったこと。つまり、ファイルに用意されたセルロイドシートの地図を「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」に差し込む必要があったわけだ。

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