この記事をまとめると
■これまで日本では新興国生産のクルマにはネガティブな声が目立った
■現在は生産国や工場違いの間で生まれるクルマの生産品質の差がかなり縮まった
■日本の人口減少の影響で今後は海外生産されたクルマの販売が増える可能性がある
海外で生産される日本車の品質が上がってきている
インドで生産され輸入されるホンダWR-Vが正式発売された。ホンダはすでに2023年12月に発表したオデッセイの一部改良モデルについては、中国生産モデルを輸入販売している。日系ブランド車ながら、日本以外で生産され国内に輸入されるケースはいままでも存在していた。
事実、現状でもトヨタ・タウンエース、ダイハツ・グランマックスはインドネシアで生産され輸入販売されているし、トヨタ・スープラも海外生産モデルとなっている。過去にはトヨタやホンダがアメリカ工場生産モデルを輸入販売していたが、このようないわゆる先進国生産はどちらかといえば市場の受け止め方はポジティブとなるが、これが新興国生産モデルとなるとネガティブな声が目立つように見える。
たとえば4代目日産マーチや6代目三菱ミラージュは、いずれもタイの工場にて生産されたモデルが輸入されていたが、タイ工場製というのもあったのか、市場の反応は芳しくなかったように見えた。そこには生産品質では世界一の日本製に劣るという印象が、日本国内に根強くあるように見える。
先日、中国産の最新ホンダ・オデッセイに試乗する機会があった。以前、同世代の日本製モデルに試乗したことがあったが、搭載するハイブリッドユニットの非力イメージが強く、それを意識して加速時や坂道ではアクセルを踏み込むことも多くなり、結構騒々しいイメージを強く受けた。全体の印象としてはあまりよくなかった。
中国生産モデルとなり、搭載されるハイブリッドユニットは「LFA」から「LFB」に変更されている。中国市場モデルとスペックが同じなのかは未確認だが、過去に日本製モデルを試乗したときとは印象がかなり異なり、低速からトルクの強さを感じることができ、静粛性も高まっていた。
確実に改良したという実感のあるモデルとなっていた。
ただし、日本製と比較すると、機能が簡易化された装備があったり、初期生産モデルなので仕方ないのかもしれないが、リヤコンビランプとボディの設置面に隙間があったりもしたが、これは改善されていくものと考えれば、ネガティブなイメージはほとんどなく、繰り返すがやっぱり改良モデルだという印象を強く受けた。
たしかにいまでも、「MADE IN JAPAN」はクオリティの高さにおいては全世界でそれだけでお墨付きをもらえるくらいのレベルを維持しているのだろうが、海外の生産拠点との差が過去よりも縮まっているのも確かな話。とくにオデッセイでは、同じホンダの日本国内か中国の工場製といった話なので、生産品質に大差があるほうがおかしいだろう。
仮に中国で生産される日本メーカー車と中国メーカー車を比較しても、明らかに中国メーカー車が品質で大きく見劣りするということもなくなったともいえる。