もう新興国生産の日本車がダメなんて時代は終わった! オデッセイの品質の高さにWR-Vにも期待しかない (2/2ページ)

海外生産で国内に輸入販売する車種を増やす可能性も

 新興国では鉄道や地下鉄、路線バスなどの公共輸送機関は朝夕の通勤ラッシュを中心に日本よりはるかに混雑するのが一般的。そのため、ひとたびマイカーを購入すると、すべての日常生活を中心とした移動がクルマになるともいわれているほど、シビアにクルマが使われるのが一般的であり、それは日本の比ではないといわれている。

 少し前に中国で聞くと、年間4万kmを走るのもザラとのことだったので、アメリカのロサンゼルス地域並みに生活の足となっているともいえる。

 新興国の家庭で家庭用エアコンの普及が急速に進み始めたころ、常夏の国は別として、四季のある地域ではひとたび暑くなったからとエアコンを作動させると、涼しくなるまで電源をオフにせずにつけっぱなしで使うケースが目立ったとのこと。

 そこで慌てて日本メーカーが、そのような使い方にも対応させるために耐久性のさらなる向上をはかったという都市伝説を聞いたことがある。こんな話がクルマの世界でも通用するぐらい、日本とは比べられないほどシビアに使われているのである。

 日本との使用環境が異なり、さらに生産工場も現地に構えているとなれば、同じモデルでもその地域にあったスペック(耐久性の向上)に変更されるのは当たり前ともいえる。その意味では今回の一部改良したオデッセイは、いい意味でチャイナスペックが反映されていると感じることができた。

 各メーカーの戦略や国内状況の今後にもよるが、海外生産された日系メーカーモデルが日本国内でも販売されるケースは増えてくるのではないかと考えている。それは単にコストを意識したものではなく、人口減少に歯止めのかからない日本では、今後、日本国内で日本向けモデルを生産することへの負担が中長期的に見れば大きくなることもあるのではないかと感じている。

 そして、それを可能とするように、日本で売っても日本製と遜色なく売れるほどのレベルとなっている証ともいえるのではないかと、オデッセイを見て感じた。そうなると、インド製となるWR-Vの様子も大いに気になってしまう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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