アジアでは価格発表が一大イベントに! いま新車の「発表」と「価格公開」時期をあえてズラすメーカーが増えているワケ (2/2ページ)

二度の大きなアピール機会を設けられる

 最近日本でもホンダが新型車の発表と正式発売をずらすことが多いが、アジア系のみならず、欧米でも新型車の発表と正式発売のタイミングをずらすことは一般的だと感じている。

 諸外国ではイヤーモデル制を採用していることが多い。たとえば年初に自動車ショーで新型を発表したとする。すると2024年ならば「2025年モデル」として発表され、2024年秋ごろから“早出し扱い”として正式発売されることになるケースが多い。「一粒で二度おいしい」ではないが、ひとつの新型車で2回“新登場”のようなフレーズで販売促進することができるというメリットがある。もちろん、発表と発売が同時で価格も同時発表されるケースもある。

 前述したホンダの場合では、発表段階で予約受注をスタートさせ、正式発売日より正式受注を開始している。たとえば2023年12月に発表されたWR-Vは、2024年3月末に正式発売となっている。

 逆にトヨタは、人気の高い高額車については転売目当ての発注などが目立つことによる混乱を避ける意味もあり、「転売ヤー」のターゲットになりそうな車種に関しては、発売前の予約受注を行わず、販売現場にも発売日すら教えない厳重管理のもと、正式発表日から一斉に受注をしている。

 新型車投入というビッグイベントを最大限販売促進に活用しようという“意気込み”のようなものを、アジアの自動車ショーでの価格発表に感じてしまう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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