プレミアムタイヤというものを意識させてくれるレグノGR-X III
ハンドリングにも貢献している。ハンドルにしがみつかなければ身体が投げ出されるような激しいスラロームでも、軽快なリズムを刻むことができた。絶対的なグリップ力云々ではなく、リニアな操縦性が心地いい。
スポーツタイヤのようなドキドキするような切れ味ではもちろんないが、どこまで追い込んでも破綻することがなさそうな反応の速さがある。
それはリヤのスタビリティを高めているようで、その点での安心感が強い。
一方、タイヤの重量は乗り心地を稼ぐ手立てのひとつでもある。ゴムの肉厚が振動の吸収材にとして機能することもある。タイヤの軽量化はバネ下重量を抑えることでもありながら、不整路面では多少のバイブレーションを感じたのはそれが理由なのかもしれない。
ともあれ、新型レグノGR-X IIIはプレミアムブランドとしての地位を確立しようとしている。タイヤの性能だけではなく、環境性能にも目が向けられている。ゴムや金属の節約に貢献する軽量化は、サステナビリティやトレーサビリティを満たすのである。
プレミアムタイヤとは、単純な性能だけではなく、存在そのものの価値のことを指すのかもしれない。レグノGR-X IIIはそれを意識させてくれた。