この記事をまとめると
■マツダのロータリーエンジンを語るうえでコスモシリーズの存在は欠かせない
■ハイパワーでラグジュアリーだった4代目の影に隠れがちな3代目コスモ
■3代目コスモはデザイン的ラグジュアリーと機能的ラグジュアリーを両立していた
11年ぶりの復活で注目されるロータリーエンジン
マツダがRotary-EVのMX-30を発売し、久しぶりに注目されたマツダのロータリーエンジン。その先駆者が、1967年に発売されたマツダのコスモスポーツだ。世界初の実用&量産ロータリーエンジン(491cc×2)を搭載したハンドメイドによるスペシャルティカーである。
帰ってきたウルトラマンでその後期型が劇用車として使われていたのを思い出す人もいるかもしれない。近年ではヱヴンゲリヲン新劇場版でも登場している、日本の歴史的名車の1台だ。
コスモはその後、オイルショックのあとの1975年に2代目のコスモAPとなり、1981年に3代目へと進化。1990年登場の4代目コスモは当時の販売チャンネルのユーノスを冠したユーノスコスモとネーミングを改め、クーペダイナミズムを謳うラグジュアリーカーとして人気を博した。
そして、残念ながらコスモは1995年に生産が終了し、その歴史に幕を閉じることになった。その理由のひとつが3km/Lともいわれた燃費性能。その後継車ともいえたのが、2003年にデビューした、ロータリーエンジン搭載のRX-8である。
そんなコスモの29年間の歴史のなかで、もちろん初代の歴史的価値がもっとも高いのは当然だが、燃費性能はともかく、トヨタ・ソアラとも真っ向勝負できたデザイン性を携え、1990年にデビューした2ドアラグジュアリークーペ、量産車として世界初の3ローターエンジン+シーケンシャル・ツインターボ(280馬力、41.0kg-m!)のパワーユニットを搭載した4代目コスモもまた記憶に残る1台だ。