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メルセデス・ベンツが泣きついて作られた! 30年以上前に400km/hオーバーを喧伝した「シリウス」というたった1台のモンスター (2/2ページ)

メルセデス・ベンツが泣きついて作られた! 30年以上前に400km/hオーバーを喧伝した「シリウス」というたった1台のモンスター

この記事をまとめると

■ドイツのチューニングメーカーのローテックが手がけたスーパーカー「シリウス」

■元々はメルセデス・ベンツの元に「特別なクルマが欲しい」と依頼されたのが始まり

■1980年代において1000馬力、時速400km/hという数値が強烈なインパクトを残した

裕福なカーマニアからの要請で作られたワンオフスーパーカー

 1980年代中盤にポルシェ959やフェラーリF40といった新たなスーパーカーが華々しくデビューすると、世界のカーマニアの目は、再びそれらに向けられるようになった。

 より美しく、そしてより速いスーパーカーを求めたところまでは、1970年代のスーパーカーブームと変わらなかったが、すでに十分に目の肥えたマニアは、高価であってもより生産台数の少ない、ワンオフモデルを究極と考え、さまざまなメーカーにその製作をリクエスト。

 その誕生からすでに30年以上の時を経た、このローテック・シリウスも、またそのような経緯で誕生したわずか1台のみが存在するスーパーカーだった。

 ローテック社を設立したクルト・ロッターシュミット氏は、そもそもレーシングドライバーとしてさまざまなカテゴリーで活躍した人物だった。キャリアの始まりは1966年のヒルクライム。スモールGT-1600クラスにポルシェ912で参戦した彼は、ロータス・エランにこそかなわなかったものの、常に2位の座を獲得。それはポルシェのなかでは最速の成績だった。

 その後、フォーミュラーV1300や国際ヒルクライムレースに参戦しつつ、自らのマシンをBMWのエンジンを用いて自作。1980年からはスポーツプロトタイプやドイツ・レーシング選手権グループCジュニアなどのレースに参戦を続けた。

 ちなみに1983年のグループCジュニアにおいては、参戦した全サーキットのラップタイムレコードを更新。レーシングドライバーとして、そしてエンジニアとしての優秀さは、サーキットで見事に証明されたのである。

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