またも気が遠くなるような「怪物カー」が誕生! その名も「777ハイパーカー」はなんと11億円もする驚速マシンだった (2/2ページ)

走行の際にはオーナーのためにサーキットが貸し切られる

 この777ハイパーカーではブレーキやサスペンション、ギヤボックスにも同様にレーシングコンポーネントが使用され、ル・マン24時間やデイトナ24時間など、パートナーの成功体験が大きく生かされている。

 777ハイパーカーのデザインは、かつてIDEAで活躍し、現在は自身の名を掲げたウンベルト・パルレモ・デザイン社によるものだ。一切のレギュレーションに束縛されることがない777ハイパーカーのデザインは、現代のLMH、LMHdカーよりもさらに有効な空力的デバイスを持つもの。そのダウンフォース量は、最高速とされる370km/h走行時に2100kgという驚異的な数値を発揮するという。

 ちなみに777モータースがコンピュータを用いて試算したモンツァ・サーキットのラップタイムは、フェラーリ499Pが2023年の6時間レースのクオリファイで記録した1分35秒375、あるいは同レースでポールポジションを獲得したトヨタGR010ハイブリッドが残した1分35秒358を超える、1分33秒ジャストだ。

 最大の横方向加速度が4Gにも達する777ハイパーカーは、2025年に7台のみが限定生産される予定だが、そのオーナーが収まるコクピットもじつに未来的な雰囲気だ。前面にはさまざまなパラメーターが表示される7個の大型モニターが並び、人工知能によって管理されるプロセッサがサーキットによって、その瞬間に必要な比較データを表示する。

 とくにモンツァは777ハイパーカーとそのオーナーにとってのホームサーキット。エンジニアリングチームがその性能をフルに楽しめるように帯同して、フルホスピタリティによるオーナー専用のサーキットテストデイが開催される。

 777モータースは、ダラーラとともに、777ハイパーカーと同じステアリングやシート、そしてコクピットを持つプロフェッショナル・ダイナミック・シミュレーターの開発にも取り組んでいる。オーナーは、イタリアのヴァラーノ・デ・メレガリ、またはアメリカのインディアナポリスに新設される、このシミュレーターを使用できる施設でレーシングドライバーのようにトレーニングを行うことが可能だという。

 700万ユーロ(約11億3050万円)というプライスを掲げた777ハイパーカー。その走りを実際に自分の目で確かめてみたいものだ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
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