被災者はもちろん災害時の支援者にも役立つ! トヨタの「通れた道マップ」がマジで助かる中身だった (2/2ページ)

これからどのように発展していく?

■立ち上げの際はスムースに展開できたのか?

 トヨタの「通れた道マップ」の最重要意義として、まずは道路の状況を正確に、かつ迅速に伝えるというものがあります。道路の状況を把握するためには、テレマティクスサービスでつながっている「コネクティッド・カー」が現地を通る、または近くまで行って引き返すなりの行動をしないとデータが取れません。

 そして、そのデータについて正確に状況を判断する必要があります。たとえば該当区間を車両が通っていないという状況のときに、道が破断して通れないのか、あるいは通るが必要がなく通っていないだけなのかを判断しなければならず、その点を明確にするのが難しかったそうです。

 また、災害直後にはサーバへのアクセスが集中することは予想できても、その量がどれほどになるかを予想するのは困難です。運営的には、瞬間的にアクセスがハネ上がるときのトラフィック渋滞を避けるため、最大限の状況整備をおこなっているとのことですが、ユーザーサイドでも不要なアクセスを避け、本当にサービスを必要としている人たちに配慮しなくてはならないでしょう。

■今後の展開は?

「通れた道マップ」の目的としては、いまのサービスの構成で大いに役立てられているという印象がありますが、今後のサービスの拡張や更新のポイントについてはどうでしょう?

 トヨタでは、現在まででも行政関連団体との協調をおこない、サービスで得られた通行実績データの提供をおこなっているそうで、その点は今後も同様に進めていくとのこと。

 そして、サービスの提供面では、さらにデータの収集と精査を充実させてリアルタイム性の向上を図っていくそうです。

 また、災害時には水道、電気などの各ライフラインの確保が重要な要素となりますので、給電装置としても活用できるPHV車両の貸し出しをおこなっていくそうです。これは電源装置としてはもちろんのこと、現場に向かう際のテレマティクス・データの収集源としても働くことでしょう。

■われわれにもできることはある

 この「通れた道マップ」はWebやスマートフォンなど、シームレスに利用できるサービスのため、公式に支援をおこなっている復興活動のチームはもちろんのこと、現地で活動する人たちの間で、SNSなどを活用して情報が共有されているようです。

 通行止め区間の情報は元より、本当に移動を必要としている人に優先して通行してもらえるるように、譲れる立場の人が混雑している道を避けて行動できるように、被災地でさまざまな活動が自主的に円滑化できる助けとなっているのは間違いありません。

 トヨタがいまできることをしているのを見習って、私たちもできることをおこないたいと考えます。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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